米欧ゴルフ界を騒然とさせたマキロイの驚きの発言。「リブゴルフ選手にも世界ランキングを!」
リブゴルフに対し、終始、否定的な姿勢を見せてきたローリー・マキロイが「リブゴルフの選手も世界ランキングのポイントを稼げるようにするべきだ」と語ったことが、驚きのニュースとして世界のゴルフ界を駆け巡っている。
米スポーツイラストレイテッド誌によると、スコットランドで開催されるDPワールドツアーのダンヒルリンクス選手権に出場するため、セント・アンドリュースに姿を現わしたマキロイは、米欧メディアの取材に応えた際、「リブゴルフの選手も世界ランキングのポイントを稼げるようにするべきだ」と語り、記者陣を驚かせたという。
今年6月に創設されたリブゴルフとPGAツアーは激しい対立を続けている。そんな中、リブゴルフは世界ランキングの対象ツアーとしての承認を求め、OWGR(オフィシャル・ワールドゴルフ・ランキング)に申請しているものの、いまなお結論は得られていない。
そうした現状について米欧メディアから意見を求められたマキロイは「(両者の対立によって)ゴルフというゲームが引き裂かれている」と嘆いた。
その上で、「リブゴルフの選手も世界ランキングのポイントを稼げるようにするべきだ。彼らにもメジャー大会に出場できる道を開くべきだ。彼らはそうするに値する選手たちだ」と語った。
しかし、マキロイは、こう付け加えたそうだ。
「リブゴルフは自分たちだけの決まりを作り、今は彼らの決まりの下で試合を行なっているが、そのままでは世界ランキングの対象として認められるはずはない。世界ランキングのポイントを稼げるようになるためには、OWGRが定めている条件を満たさなければならない。そうでなければ、世界ランキングの対象ツアーにはなりえない」
OWGRが定めている条件はいくつかあるのだが、リブゴルフが満たしていない条件の筆頭は「36ホール後の予選カット」だ。
大会全体の形式が3日間54ホールであっても、4日間72ホールであっても、36ホール終了後に予選カットを設けることは世界ランキングの対象ツアーとして承認されるための絶対条件(注:個々の試合ではなく、ツアーとして)だが、リブゴルフは予選落ちのない3日間54ホールという形式で行なわれており、これを変更する必要性をマキロイは強く感じている様子だ。
さらには、各大会への出場資格を明確化、透明化することや下部からリブゴルフへ昇格するための扉を開くことなども世界ランキングの対象ツアーに求められる条件だが、リブゴルフは現状では、そのどちらも曖昧で不透明なままだ。
だが、リブゴルフがそれらを修正・変更すれば、「彼らも世界ランキングのポイントを稼げるようにするべきだ」と、マキロイは主張。そして、リブゴルフとPGAツアーは話し合いのテーブルに付くべきだとも言った。
「法廷闘争が進行している今は、両者の話し合いは非常に難しいことだろうと思うけど、もう少しだけ時間が経てば、自ずとそうなるときがやってくる。少し冷静になってから、両者が話し合うことは、できるはずだ」
PGAツアーの選手会を代表し、リブゴルフに対する強い拒否反応を示していたマキロイが態度を軟化させたことは、マキロイ以上の最強レベルの拒否反応を今も示しているPGAツアーのジェイ・モナハン会長やOWGRの上層部、メジャー4大会の各主催団体の今後の方針・姿勢にも何かしらの影響を与えそうである。