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iPhoneのバッテリーを値下げ前に交換したユーザーへの払い戻しをAppleが検討中

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
Appleはバッテリーの交換費用を8,800円から3,200円に値下げしている(写真:ロイター/アフロ)

 Appleが交換費用の値下げ前に『iPhone』のバッテリーを交換したユーザーに対して、払い戻しを検討していることが分かりました。

 これは海外のテックメディア『Recode』が明らかにしたもので、アメリカのJohn Thune(ジョン・スーン)連邦上院議員が「iPhoneの性能を回復させるために、値引き前の価格ですでにバッテリーを交換したユーザーに払い戻しはあるのか?」と今月1日にAppleに質問状を送っていました。

 これに対してAppleはCynthia Hogan(シンシア・ホーガン)副社長の名前で「はい。我々はそれについて検討しており、状況が更新され次第お知らせします」と翌2日に回答していたとのことです。

 Appleはバッテリーの劣化による不意のシャットダウンを防ぐために、2017年1月に配信した『iOS 10.2.1』からiPhoneの性能を意図的に制限する機能を導入していました。同年12月にその機能の存在が明らかになった際はユーザーから多くの批判が集まり、一部は訴訟にも発展しています。

 この批判を受けてAppleは『iPhone 6』以降のバッテリー交換費用の値引きを行うことを発表し、2018年1月には日本でも値引き価格での交換が開始されています。

 今回の質問は機能が導入された2017年1月から問題が発覚した同年12月までに、バッテリーを交換したユーザーに対して補填が行われないのは問題だと議員が考えていることの表れでしょう。

 それにしてもバッテリー交換費用の値下げもそうですが、新しく配信されるiOSで機能制限をオフにする仕組みや今回の払い戻しの検討など、この問題に対してAppleがかなり敏感になっていることが分かります。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。インターネット(SNS)で起きる炎上の解説、デマのファクトチェック、スマホやガジェットの話題、生成AIが専門。最近はYouTubeでも活動しています。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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