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#さらざんまい が巻き起こしたアニメ界初の神手法、その表現の極北に涙するタイムライン

いしたにまさきブロガー/ライター/アドバイザー
すでに真っ暗でID以外はなにもなくなったアカウント画面(アカウントショット画面)

さらざんまい、今期話題の幾原邦彦監督によるアニメ作品。何度目かのイクニ伝説の日が加わってしまったので、ここに記録として残しておきたいと思います。

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さらざんまい公式サイト(http://sarazanmai.com/

そもそも、このさらざんまい。そのタイトル、本PV、そしてあの第1話。日本だけではなく、海外まで含めて「おれたちは今なにを見たんだ!、これはいったいなんなんだ!、なんじゃこりゃー」と騒然となりました。その痕跡は今でも本PVのコメント欄に残っています。

私自身、話題のAR動画を見ても「なんかさらざんまいのEDみたいだな」と思う程度には、今期は脳を侵食されています。

そして、タイムラインが騒然となったのは、第10話の放送時のことです。放送が終わったあとで振り返ってみれば、その放送前に少し変な予兆はありました。とにかく公式がリアルタイムで見てねとツイッターで圧をかけてくる感じだったのです。実際、私も作業の手を止めて、放送を待ちました。

ただ、この10話のすごさというのは、実はアニメ放送の外で起きていたのです。場所はツイッターのタイムラインです。しかも公式アカウントでもありませんでした。

つながりがテーマの作品で、半ば悲恋のような形で物語から退場していく登場人物を表現するのに、こんな方法があったのかと。はい、時代は「つながり」で「リアルタイム」です。そんな空気感すら表現の中に封じ込めているこの手法、もう驚嘆というか開いた口が塞がらないとはこのことです。

そして、もう今はツイッターには、IDしか残されていませんし、このIDを読むと「Keep Only One Love」となっているわけです。

※イクニさん、このツイートだけハッシュタグ入れていないんですよね

なお、この問題のアカウントは、本放送の半年前から準備されていました。もう、ホントすごいよね。

そもそも、このさらざんまい。アニメ作品にしては、放送前から公式アカウントや監督本人や関係者まで、積極的にツイッター上で投稿がなされていました。それについては、今どきだし、放送が始まってみると「つながり」がテーマになっているからなのかなあと、ボケっと思っていました。もちろんタイムラインの活性化にはリアルタイム性が必要だしなあとかも。

でも、そうじゃなかったんですね。伝えたい物語があり、そこでこの手法が実行されることになり、そのためにはこの第10話を迎える前に#さらざんまいというハッシュタグが機能している必要があったんです。ああ、なんというすばらしい仕事をしているのでしょうか。

われわれに残されているのは、次回第11話という最終回のみですが、この経験を視聴者にさせて、かつ最終回ではなにを見せてくれるのでしょうか。もう今から座してリアルタイム視聴を待ちたいと思います。

ブロガー/ライター/アドバイザー

Webサービス・ネット・ガジェットを紹介する考古学的レビューブログ『みたいもん!』管理人。2002年メディア芸術祭特別賞、2007年第5回Webクリエーションアウォード・Web人ユニット賞受賞。「ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である(技術評論社)」「あたらしい書斎(インプレス)」など著書多数。2011年9月より内閣広報室・IT広報アドバイザーに就任。ひらくPCバッグ・かわるビジネスリュックなど、ネット発のカバンプロデュースも好調。 #カゲサポ

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