30代前半でも男性未婚率は47.1%…未婚率の実情をさぐる
・男性の20代前半の未婚率は95.0%、20代後半は72.7%、30代前半は47.1%、30代後半は35.0%(2015年)。
・女性の20代前半の未婚率は91.4%、20代後半は61.3%、30代前半は34.6%、30代後半は23.9%(2015年)。
・1970年ぐらいから男性は中年層以降、女性は全般的に未婚率が上昇している。
法に基づいて男女間で夫婦(婚姻)状態となることを結婚と呼んでいる。昨今では結婚をせずに独身でいる人の増加が話題になっているが、その実情を、内閣府が2018年6月に発表した2018年版の「少子化社会対策白書」を基に、一次ソースとなる国勢調査(2015年分)の確定報の公開値から確認していく。
次以降に示すのは2015年までにおける男女別、年齢階層別の未婚率のうち、結婚適齢期と世間一般に認識されている20代から30代に関し、5歳区切りでその動向を確認したもの。この未婚率に該当する者「未婚者」には、有配偶者(配偶者がいる人)はもちろんだが、死別者(結婚相手が亡くなって一人身の人)・離別者(結婚相手と離婚して一人身の人)も含まれていないことには注意。要は「まだ一度も結婚していない人の割合」。もっとも結婚状態に無くとも異性と同棲している人は含まれる。また性交渉の有無とは無関係。
日本では晩婚化が問題視されているが、それとともに未婚率の増加もまた同軸の問題として浮かび上がっている。男性若年層の未婚率は元々高かったが、中年層以降、そして女性は全般的に1970年代あたりから上昇の動きを示し、現在に至っているのが確認できる。そして直近の2015年では、男女とも20代はわずかな上昇を続ける一方、30代では男性は多少ながらも減少し、変化の兆しが見受けられる。
前回調査の2010年分との比較をすると、上記でも言及している「20代の増加」「30代の横ばい、一部で減少」が把握できる。男性30代は減少、女性も30代前半は0.1%ポイントの増加に留まっている。
元々中年層以降は未婚率が低かった、見方を変えれば伸びしろが大きかったこともあり、バブル時代あたりから未婚率は急激に上昇していた。前回の国勢調査となる2010年分調査結果でも一部兆しはあったが、最新の調査分となる2015年分で明らかに頭打ちの動きを見せており、30代の未婚率はこの辺りが天井になりそうな雰囲気ではある。
年齢階層区分や男女比も含め、別調査の結果「「まだ若いから」が「相手が見つからない」へ…独身が独身でとどまる理由」などと見比べると、結婚のハードルの高まりや結婚意識の変化と、未婚率の関係を類推できよう。
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