解雇規制の問題は、日本社会の今後にとり非常に重要な課題 #専門家のまとめ
自民党総裁選で、注目候補者の小泉進次郎氏が、「解雇規制」の問題をとりあげた。それは、日本ではかなりセンセティブな政策課題だ。すでに、同選においても、論議が起きている。だが、日本の今後を考えると避けては通れない。この機会に、日本における「解雇規制」について考えてみよう。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
日本で解雇規制の自由化や緩和が主張されると、様々な議論が起きる。今回の自民党総裁選でも、同様の状況が生まれてきている。労働者や国民の生活を守ることも非常に重要だ。他方、日本は解雇規制が強いために、世界・社会が大きく変容し、日本の経済・産業構造の大きな変化が必要にも関わらず、変化できていないのも事実。また失業等に対するセーフティネットが、現行制度が不十分で、改善・拡充されるべきだ。それらの観点からも、日本は、「解雇規制の自由化・緩和」と「セイフティネットの改善」(さらに、それらと連動して、適正な人的移動性のある労働市場の形成)等をセットとして政策対応を行い、経済・産業構造の転換と国民の安心できる生活の確保の両方を実現していく必要があるといえるだろう。いずれにしても、今回の自民党の総裁選がきっかくとなり、この政策における国民の理解が深まると共に、十分な論議につながり、的確な政策が導入されることを期待したいところだ。