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英国サッカーチーム監督「今日の負け試合はまるでホロコースト」発言で大炎上

佐藤仁学術研究員・著述家
ホロコースト時代のポーランドのユダヤ人ゲットー(ヤド・ヴァシェム提供)

英国のサッカーチームのブリストル・ローヴァーズFCが試合に3-1で負けた。酷い試合だったようで、監督のジョーイ・バートン氏が「こんな酷い試合はまるでホロコーストのようだ」と、ホロコーストに例えて抗議のコメントも相次ぎ、ネットでも炎上している。

第二次世界大戦の時に、ナチスドイツが約600万人のユダヤ人を殺害した、いわゆるホロコースト。ホロコーストやナチスドイツに関する公的な場所での不適切な発言や、ホロコーストに関するファッションや商品は販売されると必ず炎上する。

ホロコーストは多くのヨーロッパの人やユダヤ人にとって悪夢のような出来事だったので"悪夢のように酷い"ことを"ホロコーストのようだ"と表現して語ることは多いが、このような公的な立場の方が公の場所で使ってしまうと、「ホロコーストの犠牲者に対する敬意がない」「ホロコーストとサッカーの試合に負けることは違う」と必ず炎上する。

イギリスの地元のユダヤ団体も「監督の発言は攻撃的で不適切です。サッカーの試合に負けたこととプレーが酷い様子がどうしてホロコーストのようなのか意味が不明です。ホロコーストの犠牲者や生存者、家族に対して失礼です。ホロコーストに対する知識が欠如しています 」と怒りを表明している。ホロコースト教育財団のCEOのカレン・ポロック氏は「全く不適切な表現です。ホロコーストを矮小化しすぎです。多くのユダヤ人やヨーロッパの人にとって本当に悪夢だったホロコーストとサッカーの1試合でのパフォーマンスを比較することができるのでしょうか」と非難していた。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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