あなたは大丈夫?意外と知らない温泉マナーNG行動5選
温泉ジャーナリストの植竹深雪です。
さて。
突然ではありますが、
多くの方が大好きという温泉。
実は温泉にもマナーがあるということをご存知でしょうか?
知らないで温泉入浴をすると恥ずかしい、またはお咎めがあるかもしれないという温泉マナーについて、いくつかご紹介します。
NG行動1:かけ湯をしないでそのまま温泉に入る
お風呂でもシャワーで身体の汚れをオフしてから入浴をする方が多いと思いますが、温泉もかけ湯が大事。湯を汚さないということもありますが、湯の温度にからだを慣らすという目的もあります。
血圧を急上昇させないためにもかけ湯は本当に大事。
心臓から遠い足先など末端から少しずつ上へと、胸や肩へしっかり温まるようたっぷりかけ湯をしましょう。
地元の方に親しまれている温泉では、シャワーを強要するところもこれまでの経験上いくつかありました。その場合はシャワーで汚れを先に落としてからのかけ湯がオススメです。
NG行動2:いきなり湯口には行かない
実は温泉にも上座と下座があります。上座=湯口。下座=湯尻。
かけ湯を十分にした後は、湯尻からそっと湯船に入り、少しずつ湯口へ進み温泉を楽しむとことをオススメします。
理由は、これも温泉の温度に慣れていくということもありますが、いきなり湯口の上座に進むのは失礼と捉えられてしまうことも少なくないからです。
特に地元の方にも親しまれている日帰り入浴施設では、やはり通っている常連さんもいてローカルルールなるものも存在しているところもありますが、みなが気持ちよく温泉を楽しむためにも上座などベスポジの場所を譲りあい、最後まで気持ちよく入浴をしたいものです。
NG行動3:香りが強いシャンプー、ヘアケア製品は使用しない
髪を洗う時、ご自身のお気に入りの香りや洗い心地のシャンプー類があるとは思いますが、温泉で気をつけたいのが香りが強いシャンプーはNGと思っていただいた方がいいと思います。
外資系のハンドクリームで有名なメーカーなどは特に気をつけた方が安心です。
温泉は無色透明無味無臭なようであっても、石膏臭や芒硝特有のにおいなど、複雑な香りを含んでいたりします。ローズ系など華やかで強い香りのシャンプーの残り香のブレンドされたにおいが浴室に広がると温泉特有のにおいが感じ取れなくなるだけではなく、さらにゆで玉子のような硫黄泉特有のにおいと、キツイシャンプーの残り香が混ざったにおいのする浴室は、やはり気持ちがいいものではありません。
最近では控えめの香りのもの、オーガニックなものを使用している温泉施設や旅館が増えつつあるので、それらを使って香りにも気を遣いましょう。
NG行動4:手拭いを温泉に持参せず、手ぶらで温泉に行くこと
脱衣所から温泉へ行く時、手ぬぐいを持参していますか?
身体を洗ったり、温泉から出るときに軽く身体に付いた水分を取るということもありますが、そのほかにもいろいろと目的があります。
身体を洗い終わった後に水でタオルをすすいで絞っておき、頭の上におくとのぼせ防止に。
温かいお湯でタオルを絞ったものをのせると立ちくらみの防止になると言われています。
ぜひ温泉へは手ぬぐいを持参して欲しいのですが、直接温泉に浸けてしまうのは湯が汚れてしまったりとNG行為ですので、温泉を湯桶に取って、そこに浸して絞ってくださいね。
あと日帰り温泉で意外と知られていないのではと思うことが、マイ手ぬぐいやマイタオルを持参するということ。どこでもタオルが販売されていたり、さらにサービスで付いてくるわけではありません。宿泊すれば手ぬぐいやバスタオルはありますが、日帰りでは自分で用意をして温泉に行かないとダメなのです。ないからといってハンカチやティッシュで拭くとか、さらにびちょびちょのまま脱衣所に戻るのはもってのほか。
ぜひ、手ぬぐいを持参しましょう。
NG行動5:使った椅子や湯桶は元の場所に戻さずにそのまま出てしまう
使ったら使いっぱなし。
先の人が元に戻していないから、ということなのでしょうか?
あった場所、元に戻さないという方が温泉入浴の経験上実は少なくありません。
温泉施設の人、宿の人が片付けてくれるから…ということではなく、温泉はみんなのもの。
後の人も気持ちよくカランを使えるようにするためにも、せめて使ったものは元に戻して、きれいに整えたいものです。
いかがでしたか?
読んでみたら実はどれも当たり前だったり、ごく普通の常識範囲かと思うことばかりなのですが、いざ毎週のように各地の温泉へ出掛けていると、基本的なことができていないかも…ということを見かけるケースが残念ながら少なくありません。
このほかにも、地元の方に親しまれている共同浴場では特に、いくら湯が自分にとって熱いと思っても水で勝手にうすめないといったことや日帰り温泉施設まだまだ地域限定のようなルールもあったりします。
地元の方がお風呂のように利用している共同湯。野沢や渋、草津温泉や別府などでも観光客に安価だったり、場所によっては無料で開放してくださる温泉もあります。
もらい湯の精神で、ありがたく温泉に浸からせていただいているという気持ちは忘れずにいたいものです。
改めて今一度温泉マナーを見直し、みんなが気持ち良く、そして気分良く温泉を利用して欲しいと思います。
植竹深雪 |温泉ジャーナリスト/温泉専門家
国内外3000湯以上の温泉に入り、1300泊以上の温泉宿に投宿。
消費者目線にて、自分の目で見て感じた温泉や温泉地の魅力や現況などをテレビの人気情報番組や雑誌等各種メディアに発信、情報提供など行う。
女性誌precious.jpで好評連載中。
著書「からだがよろこぶ!ぬる湯温泉ナビ」(辰巳出版)