インテルはまたCL決勝にいける? 伝説の監督もついにインザーギ称賛 「どんな偉業も…」
昨季のチャンピオンズリーグ(CL)での決勝進出は、インテルにとって望外の結果だった。シモーネ・インザーギ監督のチームが自信を深めたことは確かだ。それは今季序盤戦での好調ぶりからもうかがえる。
10月3日、インテルはCLグループステージ第2節でベンフィカに勝利した。スコアこそ「ウノゼロ」(1-0)だが、何度となく得点機会をつくり、大勝でもおかしくない出来だった。
この快勝に、名将アッリーゴ・サッキも賛辞を寄せている。かつてミランで黄金期を築いたイタリアのレジェンド監督は、これまでインザーギに苦言を呈していた。だが、ベンフィカ戦での姿勢には「納得」している。
■インザーギのインテルは「個」に依存?
9月30日、インテルはセリエA第7節サレルニターナ戦で4-0と快勝していた。
だが、サッキは物申さずにはいられなかったようだ。『La Gazzetta dello Sport』紙のコラムで、「この上なく個に基づいているチーム」「ミランやナポリとは大きく異なるサッカー」と、インザーギのインテルがコレクティブではないと評した。
初めてのことではない。以下のように、この一年だけでも、サッキは同様の主張を繰り返している。
「待って相手のミスに基づくカウンター」
「カルチョの古い原則にやや縛られすぎ」
「インテルは欧州のメンタリティーがない」
「インザーギはチームに勇気を与えないと」
ベンフィカ戦の前日会見で記者から問われると、インザーギは「サッキとは見解が異なる。だが、誰もが好きなように評価できるものと思う」と、大人の対応でスルーした。
■戦術家であっても戦略家ではない?
サッキもインザーギの「礼儀正しさ」には賛辞を寄せている。だが、「インテルのプレーは常にこの上なくハイレベルというわけではなかった」と主張は変わらず。「戦術家以上に戦略家であれば完璧」と、インザーギへのダメ出しを続けた。以下はその一部だ。
「(もっとプレスをかければ)アバンギャルドなサッカーのスタンダードに近づく」
「世界中の素晴らしい、歴史をつくるチームが、コレクティブなプレーと戦略を重視」
「モダンサッカーを実践するには、常にピッチ全体でチームのためにチームと一緒にプレーするモダンな選手たちが必要であり、全員が攻守両面に参加することが必要」
欧州や世界では不十分、というわけだ。
ただ、これらの発言を報じた『La Gazzetta dello Sport』紙が、そのインタビューに並べるかたちで、インザーギのインテルを称賛する記事を紙面に載せたのは興味深い。
ダヴィデ・ストッピーニ記者は、昨季のインテルがCLで有数の出来だったことが、デュエルやインターセプトといった数字にも表れていると指摘。決勝以前から、そしてマンチェスター・シティを苦しめた決勝でも、インテルは「主役」だったとの見解を示している。
■ピッチで認めさせたインザーギ
そして、前述のように、インテルはベンフィカに快勝した。サッキはついにインザーギを認めたようだ。
サッキはインテルが得点後も攻め続けたとし、「インザーギは戦略家だった。勝って、納得させ、成長したいなら、これが正しい方法だ」と称賛。さらに、「欧州的なサッカーを実践した」「国際舞台でどう戦うべきかの模範」とまで述べている。
「技術的な質や経験、身体能力やベンフィカ戦のプレーからも、今のインテルはどのチームも怖がらせるだろう。どんな偉業も妨げられない。どんな相手にも立ち向かい、倒せるだけの力がある」
「インザーギはこの道を進まなければならない。恐れを抱かず、自分のアイディアを確信しろ。彼がそうすれば、選手たちも確信し、インテルは本当にCLで重要な道を切り開けるだろう」
もちろん、シーズン開幕からはまだ2カ月しか経っていない。CLはグループステージの2試合を終えたばかりだ。昨季のように決勝まで勝ち進めるか以前に、まずは決勝トーナメントに駒を進めなければいけない。
それでも、セリエAで首位に立ち、CLでもD組の難敵と言われたポルトガル王者に快勝したインテルへの期待が大きいのも事実だ。サポーターは夢を見ているに違いない。