地震対策をインテリアコーディネーター目線で解説!賃貸でもできる転倒防止対策とは…
令和6年能登半島地震の被害に遭われた方、心からお見舞いを申し上げます。
地震などの自然災害はいつ襲ってくるか分からないものですが、だからこそ日頃の対策をしっかりと行っておくことで、最小限の被害で済むかもしれません。
インテリアコーディネーターという住空間の専門家として、いくつか対策方法を紹介していきます。
地震対策は3つに分けて考える
インテリアという視点で言うと、地震対策は3つに分けて考えると頭の中が整理されます。
それはどういうものかというと
- 家具が倒れないようにする
- 収納物が飛び出してこないようにする
- 万が一倒れても大丈夫なようにする
という3つですね。
それぞれ対策方法は違いますし、お使いの家具によって重要度も変わってくるため一概には言えませんが、この3つをお部屋全体で検討することで対策が可能になります。
全部紹介すると長くなるので、この記事では1番の「家具が倒れないようにする」という対策方法を見ていこうと思います。
YouTubeの動画では3つ全て紹介しているので、ぜひ合わせてご覧になってください。
家具が倒れないようにする
家具が倒れないようにするのは、最も基本的な地震対策ですよね。
倒れてしまうとケガはもちろん、慌ててしまいがち。
なのでまずは倒れないようにしていきましょう。
対策の優先順位としては、間違いなく「高さのある家具」が一番になります。
タンスや食器棚など180cmを超えるような高さのある家具は、真っ先に検討してください。
ではそのような高さのある家具を倒れないようにするためにはどうすればいいでしょうか。
↑ 最も取り入れやすいのは、このような天井と突っ張る仕組みのアイテムです。
倒れにくさが格段に良くなり、それでいてネジも不要。
賃貸でも取り入れやすいので、重い腰を上げて実際に行動しやすいですよね。
「転倒防止 突っ張り棒」などと検索するとたくさんヒットするので、大きさや色など住まいに合ったもので対策を進めてください。
次は「そこそこ高さがある家具」です。
天井から距離があるほど突っ張りの強度は出にくく、見た目的にも気になってくるので、そういう時は…
↑ このような壁と固定するアイテムが向いています。
これなら目立たないのでインテリア的にも気になりにくく、取り付けも簡単。
これも壁に穴を空ける必要がありません。
特に使いやすいシーンが、壁にネジでの補強ができないときです。
正直ネジで固定する方が強度は出ますが、しかしながら壁が石膏ボードで裏に補強がないと、ネジは全くきかず地震対策にはなりません。
そういうシーンではこのような貼るタイプが使いやすいですよね。
また対策するアイテムに関しても、例えば冷蔵庫などはネジを打つことができません。
そういう場合にも、とても役に立つアイテムではないでしょうか。
次はテレビの転倒防止対策です。
テレビも倒れやすい家具家電の代表で、しかもコンセントに繋がっているので二次災害を引き起こす可能性もありますよね。
↑ 一般的なテレビ台に置いているなら、このようなアイテムがおすすめ。
ネジで固定するタイプですが、打つのは壁ではなくテレビ台。
壁に穴を空けるわけではないので、これも賃貸で使いやすいアイテムですね。
ただ地震の時はこのような重い物が「横に滑って移動」してくるので、合わせて
↑ このようなテレビの脚がズレにくい対策をしておくと安心感が高くなります。
これで「倒れる」ことだけじゃなく、移動してきて「落ちる」ことも防いでくれますね。
では最後に、家具を置く向きについて。
あなたの住まいはどっちの方向に揺れやすいか、という点を考えたことはあるでしょうか。
↑ 例えばお部屋の形がこうだとしても、、、
↑ 建物自体の形がこういう形状なら、、、
↑ どうしても矢印の方向に、揺れが大きくなりやすいですよね。
↑ それに対して家具をこういう向きで置くと、とても倒れやすくなります。(赤で表示された家具)
家具の背面は壁があることが多いので、どうしても前方に倒れるんですね。
なので可能かどうかは住まいごとに変わってきますけど、もし可能なら、特に背の高い家具ほどこういう向きではなく、、、
↑ こういう向きで配置できないか、今一度検討してみてください。
まとめ
地震対策は100%と言っていいほど「先手必勝」になります。
大きな揺れが来る前に、少しでも危ない箇所を減らしておきましょう。
また高齢の両親や親戚の住まいの対策を手伝ってあげるなど、できる人が率先して周囲に意識を向けてあげることで、少しでも被害の拡大を防ぐことができるのではないでしょうか。