不可解なレフェリーによってドローとなった6回戦
9月18日にFOX TVが放送した興行のセミファイナルは、3戦全勝(2KO)のエロン・デ・ヘスースと5戦全勝5KOのレジョン・チャンスが対戦し、引き分けた。このスーパーバンタム級6回戦のレフェリングは、理解し難いものだった。
第4ラウンド、1分33秒。ヘスースの狙い澄ました右ストレートが顎を捉え、チャンスがダウン。膝を折り、キャンバスに手を付いたチャンスの後ろ首に、勢い余ったヘスースのパンチが当たる。
するとレフェリーのジェリー・カントゥはダウンを取らずに、ヘスースに減点を告げる。
翌5ラウンド、偶然のバッティングにより、試合が一瞬止まる。しかし、レフェリーはタイムブレイクにはしなかった。ヘスースがパンチを振るうと、2人の間に入ってレフェリーがチャンスを救う。
極めつけは同ラウンドの1分37秒。ヘスースの右アッパーを顎にクリーンヒットされたチャンスがダウン。カウント8でかろうじてファイティングポーズをとり、試合続行を主張しながらも、チャンスは「目が見えない」とアピール。するとレフェリーはドクターをリングに上げ、チャンスを診断させた。
選手のダメージを考慮するなら、TKO負けを宣言するのがレフェリーの仕事であろう。チャンスがダメージを回復させるために時間稼ぎをし、レフェリーがそれに加担したのは明らかだった。
レフェリー、ジェリー・カントゥの奇妙な働きによって、同ファイトはドローとなる。ジャッジの採点は、56-56、56-56が2名、残る1名は57-55でチャンス優勢としていた。
後味の悪さだけが残る試合となった。勝利を盗まれたヘスースは、腐ることなく次戦で悔しさをぶつけてほしい。