ソニー「格安スマホじゃないXperia」を投入へ
ソニーは2014年度第3四半期の連結業績を発表した。
売上高及び営業収入は前年同期比6.1%増の2兆5578億円。営業利益は前年同期比894億円増加の1783億円となる。
これにより2014年度の連結業績見通し営業利益は、昨年10月には400億円の赤字と見積もっていたが、一転して200億円の黒字となった。
なお、ソニーの連結子会社であり、映画分野を構成しているSony Pictures Entertainmentにおいて、第三者にからのサイバー攻撃に伴う大規模ネットワークシステム障害が発生したため、決算業務を完了することができなかったという。このため、今回、発表となった財務情報は、連結及び映画分野についてはサイバー攻撃が業績に与える見込みを含めたものだ。
収益が改善している背景にあるのが、円安基調の為替による影響だ。また、ゲーム分野ではPS4の販売台数が計画を上回り、さらに、オンラインゲームの売り上げも堅調だという。
ただ、ソニー本体の足を引っ張っているのが、モバイル分野だ。2014年度のモバイル分野の売上高は1兆3200億円、営業損益が2150億円の赤字見通しを発表。
ソニーではモバイル分野での構造改革を進めるために、2015年度末までに2100人の人員削減、構造改革費用に300億円を計上する。他のオペレーション費用の削減を含め年間900億円以上削減するという。
今回、ソニーではモバイル事業における2017年度の経営数値目標を、売上高は9000億円から1兆1000億円、営業利益率は3〜5%を目指していくとした。
なお、先日、インターネットプロバイダであるSo-netがソニー・モバイルコミュニケーションズと組んで「Xperia」を今春から販売していくと発表があった。
この件について、ソニー執行役の神戸司郎氏は「ソネットとソニーモバイルがセットで新しい販路を開拓する。格安スマホというよりも、高付加価値路線になる。日本で言われる格安スマホの層を狙ったものではない」と語った。
昨今、中国や台湾、韓国メーカーが続々と格安スマホ市場に参入しているが、ソニーとしてはあくまで、Xperiaが得意とする高付加価値路線を維持していくようだ。