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いつから寒く? この先の気温の見通し

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
穏やかに晴れた朝は放射冷却が強まり、霜が降りる冷え込みに(写真:イメージマート)

Summer refuses to go

「未だに夏がしつこく居座っている」そう思ってしまうほど、きょう(4日)の東京は気温が上がりました。最高気温は26.3度と11月としては3番目の高温です。非常に暖かい空気に覆われたとはいえ、ここまで気温が高くなるのは異例です。

季節外れの暖かさは7日頃まで

 11月になれば、日脚は一段と短くなり、朝晩はコートが必要になります。しかし、今年は急に涼しくなったと思っても、すぐに暑さがぶり返す。季節の感覚がおかしくなっても不思議ではないようです。

 この季節外れの暖かさは7日(火)頃まで続くでしょう。暖かい空気が広範囲に広がっているため、影響が長引く見通しです。

【上空1,500メートル付近の気温予想図(5日間平均)】上図は11/4~11/8、下図は11/10~11/14、ウェザーマップ作画、筆者加工
【上空1,500メートル付近の気温予想図(5日間平均)】上図は11/4~11/8、下図は11/10~11/14、ウェザーマップ作画、筆者加工

10日以降は冷え込み強まる

 ただ、大陸に目を向けると冷たい空気が溜まっていることがわかります。この寒気が流れ込む影響で、10日(金)頃から気温が下がり、東京でも朝の気温が10度を下回る可能性があります。

東京の10日先までの天気予報(11月4日午後3時現在)、ウェザーマップ作画
東京の10日先までの天気予報(11月4日午後3時現在)、ウェザーマップ作画

【東京】この秋初めて最低気温が10度未満となった日(1951年~2022年)、筆者作成
【東京】この秋初めて最低気温が10度未満となった日(1951年~2022年)、筆者作成

 急激な気温の変化に驚かれる方もいるかもしれませんが、この秋に初めて、最低気温が10度未満となるのは平均して11月5日頃です。最近の感覚では少し早いように感じるけれど、この半世紀で10日ほど遅くなりました。

 同じように、札幌の初雪の平年日は11月1日ですが、この10年余りで一段と遅くなり、11月半ばでも珍しくなくなりました。

 いつまでも居座る夏、あっという間に過ぎ去る冬。気がついたら、日本の四季はカレンダーのなかだけになってしまった、未来はそうなるかもしれません。

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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