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台風16号に続き、次々と熱帯低気圧が発生へ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

台風16号は四国沖で再び熱帯低気圧へ

台風16号の予報円(ウェザーマップ)
台風16号の予報円(ウェザーマップ)

台風の最新予報円(気象庁発表)

きょう25日(水)正午、日本のすぐ南海上で、台風16号が発生しました。ただ今後はあまり発達することはなく、あす26日(木)にかけて西寄りに進んだあと、北から北東方向へ転向しますが、あさって27日(金)午後3時には、中心付近の風が弱まり、四国沖で再び熱帯低気圧に変わる見込みです。

今のところ、台風の勢力で、太平洋側に近づくことはなさそうですが、熱帯低気圧として、活発な雨雲を伴い、近づいてくる可能性はあります。ただ、どこまで影響するか、まだブレ幅が大きな状態です。

太平洋側や伊豆諸島は要注意

GSM予想とMSM予想(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)
GSM予想とMSM予想(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)

上図は日本を代表するGSMモデルとMSMモデルのあさって27日(金)午後9時における雨や風の予想です。熱帯低気圧の位置は、紀伊半島沖を通過したあたりですが、GSMモデルの方が遅く、MSMモデルの方が早めに東進しています。

そして、GSMモデルは風は特に強くないものの、MSMモデルは中心付近で台風に相当するような強風が計算されています。ただこれはモデルが発達をさせ過ぎている可能性が高いと思われます。またともに活発な雨雲が伊豆諸島付近を指向し、その上端が東海や関東の沿岸部にかかる可能性があります。

伊豆諸島はもちろん、東海や関東の沿岸部でも、あさって27日(金)から28日(土)にかけては、熱帯低気圧が北にブレるほど、活発な雨雲がかかる可能性がありますので、最新情報にご注意ください。また強風にも注意が必要です。

新たな2つの熱帯低気圧の動向は?

予想天気図(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)
予想天気図(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)

上図はあさって27日(金)午前9時の予想天気図です。まず1の熱帯低気圧は先述した通り、台風16号から変わった熱帯低気圧です。一方、2の熱帯低気圧は、きょう25日(水)午前9時に、グアム島近海で発生したもので、ゆっくりと北西方向に進むでしょう。そしてさらに3の熱帯低気圧が新たに沖縄の南で発生する見込みです。

2の熱帯低気圧は、週末にかけて、小笠原諸島付近へ北上する可能性があります。強く発達する計算は少ないものの、当面、小笠原諸島は注意が必要です。3の熱帯低気圧は、週末から週明けにかけて、台風と思われるような勢力に発達する計算も多く、来週にかけて、沖縄をはじめ、本州付近でも、不気味な存在となるかもしれません。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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