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【河内長野市】なぜこんなところに!長野ポンプ場敷地内にひっそりある大日寺古墳はいつ頃の遺跡?

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

南河内地域で古墳といえば、世界遺産のある羽曳野や隣接する富田林を連想するかもしれません。しかし、河内長野にも数は少なめですが古墳は存在しています。

とはいえ、河内長野駅近くにある大日寺古墳は、本当に意外なところにありました。

それはこちらの敷地内にありました。こちらの施設は、「長野中継ポンプ場」です。

中継ポンプ場についておさらいすると、下水施設の一種で、多量の汚水が溜まる場所で地形的に自然に流せられない場合に、汚水を途中でくみ上げ、再び自然に流せるような役割を担っているとのこと。

そんな施設の敷地内を外から見ていると、不自然に石が積まれた場所を見つけました。

柵の隙間から撮影しました。確かに古墳の石室っぽい感じがしますね。そして横には説明版もありました。

こちらが説明版です。途中まで引用しましょう。

大日寺古墳は、当ポンプ場建設工事の際に発見され、この場所に移築しています。古墳は7世紀の初めごろに造られたもので、横穴式石室を埋葬施設としています。横穴式石室は上半分が破壊されており、下半分しか残っていませんでした。石室は棺を安置するする玄室とそこに至る通路である羨道からなっています。

ちなみに羨道(えんどう/せんどう)とは、玄室を死後の世界と見立てることで、この世とあの世、現世と死後の世界を結ぶ通路のような役目があるとのこと。

もともとポンプ場近くの道路沿いに存在していたものを、発掘後に石室をポンプ場内に移設しました。古墳は、横穴式の石室の基底部が残存している円墳で、玄室の長さ2.36メートル、幅1.3メートルで、羨道の長さは0.88メートルです。

さて大日寺遺跡を2001年に調査・報告した資料がダウンロードできました。

参照:大日寺遺跡
参照:大日寺遺跡

資料によると、1996(平成8)年調査の経緯として大和川下流流域下水道長野中継ポンプ場築造工事に先立つ事前調査が行われたとのこと。

大日寺古墳一帯は「大日寺遺跡」と呼ばれており、弥生時代から近世にかけての遺構が多く見つかっています。長野中継ポンプ建設予定地が大日寺遺跡に含まれていたため、1999年(平成11年)に発掘調査が行われました。

弥生時代の土器片、古墳時代後期(約1400年前)の古墳、奈良時代の甕(かめ)や柱跡、約800年前の鎌倉時代の墓地から中国 宋の時代の陶磁器、室町時代の皿や建物跡が発見されました。江戸時代にはこの場所は畑として使用されていたとのこと、最終的に発掘された古墳をポンプ場の敷地内にそっくり移転し、柵越しに公開されています。

大日寺古墳の名の元になる大日寺は近くにあります。

こちらが大日寺です。喜多町会館や喜多のだんじり小屋の隣、喜多町ちびっこ老人憩いの広場と隣接しています。

大日寺古墳はポンプ場の敷地内にあるのでついつい見落としがちですが、柵の外からもその様子が十分見られました。

大日寺古墳

住所:大阪府河内長野市喜多町33-1 長野中継ポンプ場敷地内

アクセス:南海・近鉄河内長野駅から徒歩5分

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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