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【名古屋市北区】太陽の塔より前。岡本太郎作品が見られる「久国寺」を訪れてみた

土庄雄平愛知深掘りライター(名古屋市)

「芸術は爆発だ!」と言う名台詞を生み出した芸術家・岡本太郎。そんな彼の黎明期の作品が、名古屋市内で見られるのことは、ご存知でしょうか?

実は北区の「久国寺」の境内に、ひっそりと置かれているので、少しご紹介したいと思います。

「久国寺」があるのは、名鉄瀬戸線・清水駅から徒歩約6分の住宅街の一角。また地下鉄なら名城線・志賀本通から徒歩15分で訪れることができます。

「久国寺」は、松平家の菩提寺である法蔵寺から徳川家康の守護仏を貰い受け、名古屋城の鬼門除けともなった由緒正しい寺院です。

シンプルな境内となっていますが、注目したいのがこの「梵鐘」。よく見ると異形のビジュアルになっています。

上部に角のような突起。周囲には仏様や動物などが浮き彫りとなっているのが特徴です。そんなこの鐘の製作者こそ、かの有名な「岡本太郎」

鐘の一角には「TARO」という文字が刻まれています。

実はこの鐘、「歓喜の鐘」と言って、当時の住職が知人から岡本太郎を紹介してもらい、製作を依頼しました。

そしてこの鐘の製作は1965年。大阪万博で展示される彼の代表作品・太陽の塔より5年前の作品です。

突起の形状といい、そのデザインは、何か通ずるものがありますね。

岡本太郎は、この鐘を一つの世界、まるで宇宙のように捉えています。鐘の音が、360度響き、それがどこまでも広がっていくことに着想し、一個の鐘に万物を表現したそう。

それこそ、仏教の「曼荼羅」を鐘へと形象化していると言えるでしょう。

打ちならせば、人間の喜怒哀楽の様々な感情が、言いようもない振幅で響き渡る。

実際に鐘を一般のお客さんが打つことができるのは、年に一度の大晦日だけですが、いつかその音としての芸術表現を聞いてみたいものです。

境内にはこのほか、太平洋戦争の戦没者の慰霊のために建立された浅野祥雲作の「護国観音像」が設置されています。

愛知県では犬山の桃太郎神社の像の製作者として有名ですね。

ということで、こんなところに!?という驚きと独特の世界観がある「久国寺」。名古屋を散策しながらふらっと訪れてみてはいかがでしょうか?

<久国寺>

住所:愛知県名古屋市北区大杉3-2-27

電話番号:052-981-1252

アクセス:名鉄瀬戸線・清水駅より徒歩6分

愛知深掘りライター(名古屋市)

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、愛知へUターンをして、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤務しながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。美味しい地元グルメを探しながら、名古屋市内の色彩豊かな自然を愛でるのがルーチン。 ※12月18日からLINEにて土庄雄平「名古屋深掘りチャンネル」配信スタート!毎週月曜日の10時にお届けします。名古屋のグルメから週末おでかけ情報、ディープなスポットまで盛りだくさん。ぜひ登録してくださいね♪(記事内のリンクは、Yahoo!ニュース エキスパートとの取り組みで特別に設置しています。)

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