【英会話】周りに勧めてるんだって言ったら、外国人にからかわれた。なんで?
20年ほど仕事で英語を話していますが、英語として正しくても、組み合わせによって不自然になってしまった英語を使うことが、たまにあります。あれ? 文法的にはあってるのに変な反応を引き出してる、おかしいぞ、という英語です。
そんな私の失敗英語や、今も私の周りで起こっている失敗英語を多少脚色も加えて、ご披露します。今回は読むと自然な英語を得られるお得なエッセイです。
周りに勧めてるんだ を直訳したら
昨年2023年はわたしにしては映画館によく行った年で、「シン・仮面ライダー」や「君たちはどう生きるか」、「ゴジラ-1.0」なんかを観に行きました。とくに「君たちはどう生きるか」は面白いうえに感動するんで、3回も観ちゃう。
そんな風に入れ込んでしまうと、周りの人に勧めたくなるのも人情ってもので、なにかにつけてあれは絶対観るべきと力説してたんですが、それを友人のRichに言ったんです。
I'm recommending "The Boy and the Heron" to people around me these days. (最近「君たちはどう生きるか」を周りにすごい勧めてるんだ)
文法的にもbe doing で強調ですし、周りの人たちに は、people around me で特に問題ない。さらっと話が通じるかなと思ったら、Richがにっと笑って一言。
Toku san, you're suddenly good at socialising. (徳さん、突然社交的になったね)
ですって。いやいや、普段通りのつもりなんだけどと思っていたら、
I thought we were introverts. It's a shame(同じ内向的なタイプだと思っていたのに。残念だ)
と追撃される。
いやいや、同じタイプでしょ、じっくり考えて、じっくり実行の(実行しないこともあり) と言うと、Richはアハハと笑って、
"Just kidding."
ですって。すっかり揶揄(からか)われてたみたいです。どうして、私が揶揄われたか、みなさん、お気づきでしょうか?
問題は、私の言った英語のなかのpeople around meにあります。私の周りの人たちに という意味ですが、この日本語があらわすのは、私の知り合いや、同僚、友人って意味です。でも、英語のpeople around meってまさしく周囲の人たち全部になる。I'm recommending "The Boy and the Heron" to people around me these days. は当たりかまわずちょっと顔だけ知ってる人や、名前を知らない人にも「君たちはどう生きるか」を勧めていることになります。かなり社交的、どんどんナンパとかできそうなタイプです。
Richは、長年付き合ってるこの男がそんなはずないから、ちょっと揶揄(からか)ってやろうと思ったようでした。
まったくいつかぐいぐい行くタイプになってやろうかな。でも、疲れそうなんで、やめときます。自分が自然体で生きるのが一番愉しいですから。
と、こんな感じで、Native English Speakerたちとの英語やカルチャーギャップのお話をご披露したいと思っております。お気に召しましたら是非ともごひいき(フォロー)くださいますようお願い申し上げます。
あ、そういえば、本当はどういうべきだったかを書いてませんでした。それは、
I'm recommending "The Boy and the Heron" to my friends these days.
英語の感覚では「友達」の範囲が広いんですね。
イラスト 大橋啓子