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駅周辺の自転車置き場はどれほど存在し、どこが運営しているのだろうか

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 駅周辺で良く見かける自転車置き場。運営母体は…

鉄道駅の周辺には多かれ少なかれ存在している自転車。その駅、あるいは駅に隣接する商店街を利用するために周囲から自転車で来訪した人達は、鉄道や商店利用中は自転車そのもので内部に乗りつけるわけにはいかず、その場へ一時的に駐輪させることになる。一方で駐輪場が不足しているから、利用が面倒だからとの理由で、駐輪が望まれない場所に自転車が置かれ、通行の邪魔になるとし、駐輪自転車が社会問題化している場所も少なくない。

それでは現状において、駅周辺の自転車置き場はどの程度整備されているのだろうか。そしてその置き場はどのような主体が運営しているのだろうか。内閣府が定期的に調査している実態調査「駅周辺における放置自転車等の実態調査」の結果から、その現状を確認していく。

「駅周辺における放置自転車等の実態調査」は大よそ2年おきに各都道府県の市、東京都特別区、東京駅・名古屋駅・大阪駅を中心とした都市圏を調査対象とし、駅周辺(該当駅から500メートル区域内)の自転車などの放置状況や設置駐輪場をはじめとした駐輪対策の状況を調べたもの。最新データは2016年6月に発表された、2015年8月末時点(放置自転車台数は2015年10月から12月の晴天・平日・大よそ午前11時を基準)の調査結果。

それによると、収容可能台数に換算して、駅周辺の自転車等(原付なども含む)駐輪場(元資料では駐輪場と表記しているので以後駐車場)の収容台数は約466万台分。下記のグラフは具体的な管理主体別に区分したものだが、そのうち7割強が市区町村などの地方自治体の運用するものとなっている(同一か所を複数母体が管理している場合もあるため、グラフ上の数字をすべて加算すると472.2万台分となり、純粋な収納台数の466.1万台分を超える)。

↑ 自転車等駐車場の管理主体別設置状況(収容能力、台)(2015年8月末)
↑ 自転車等駐車場の管理主体別設置状況(収容能力、台)(2015年8月末)

次いで多いのは民間の駐車場業者。これが74万台分。自転車駐輪場整備センターが54万台分で続くが、これは関係行政機関や競輪・オートレース協会、宝くじ協会などの支援を受けて設立された、自転車駐車場の整備運営を目的とした公益財団法人。

鉄道駅を利用する人による自転車の一時駐車が多いことから、鉄道事業者による駐車場も多数存在する。こちらが約28万台分。ガード下の駐車場の多くは、この鉄道事業者による運用タイプである。さらに一般個人、大型店舗などが続く。

自転車駐車場には大きく分けて、有料と無料のものがある。利用が短時間で済む場合(例えば駅のそばのデパートでの買い物のために自転車で来店した時など)は特に、無料の自転車置き場を探したくなる。なお今件は直近調査分では調査対象外項目(有料・無料の区分での調査が成されていない)であることから、前回調査(2013年8月末実施)のものをグラフ化している。

↑ 自転車等駐車場の設置主体別設置状況(収容能力、台)(2013年8月末)(有料・無料別)
↑ 自転車等駐車場の設置主体別設置状況(収容能力、台)(2013年8月末)(有料・無料別)

圧倒的に有料駐車場の方が多い。地方自治体運用の駐車場の中には環境整備を優先するなどを理由とし、無料で運用している事例も少なくないが、それでも有料駐車場と比べれば半分程度。公益財団法人や民間による駐車場はほとんどが有料による運用となっている。自動車用の駐車場運営と同じものと考えれば、ほとんどの場面で有料制にする理由も理解できる。無論、例えばデパートやコンビニが運用する駐車場のように、自社サービスを利用してもらうための環境整備として用意したものは、その限りでは無い。

今件データはあくまでも最新の状況を示したものだが、過去のデータを検証するに、自転車等駐車場は新設整備の結果、収容能力を漸増しており、それに伴い放置自転車数も漸減の一途を示している。放置自転車問題そのものが「以前と比べて」あまり騒がれなくなったのも、この整備の恩恵によるところが小さくない。

とはいえ、今件最新調査に限っても、全国で駅周辺において8万台以上もの放置自転車が確認されているのも事実。今後さらに需要に応える形で、便利な場所への新設と、駐車場利用の啓蒙が続けられることになるのだろう。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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