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台風15号 フィリピンへの影響は?

崎濱綾子気象解説者/気象予報士/防災士/ウェザーマップ
台風15号進路予想図 (ウェザーマップ)

【台風15号・フィリピンへ】

12日、フィリピンの東で台風15号が発生しました。

今後は北西進し、フィリピン付近へ向かう予想です。去年台風で甚大な被害が起きたフィリピンへの影響はどうなのでしょうか。

台風15号進路予想図(気象庁)

台風15号 進路予想図
台風15号 進路予想図
12日の衛星画像(気象庁)
12日の衛星画像(気象庁)

【今回の台風は北部へ】

去年の台風30号はレイテ島・セブ島など多くの島が密集するフィリピン中部を通過しましたが、今回の台風15号は現時点ではフィリピン北部を通過する予想となっています。

2014年 台風30号被害概要(国交省)
2014年 台風30号被害概要(国交省)

【高潮が理解されなかった】

去年の台風30号は「暴風」と「高潮」が記録的でしたが、特に「高潮」の影響で被害が拡大しました。

当時、英語の「ストーム・サージ」を使って「高潮」への警戒を呼び掛けましたが、フィリピンでは8割以上の住民がこの言葉への理解が難しかったとのちに報道されました。日本語の「津浪」のほうが理解されていたようです。

今回の台風15号は海水温が高い時期に発生しています。夏から秋にかけては高海温による海面の膨張などの影響で、特に高潮に注意が必要な時期となります。少し離れた地域でも台風の勢力によっては高潮による浸水や冠水に注意が必要です。

2014年 台風30号被害概要(国交省)
2014年 台風30号被害概要(国交省)

フィリピンの東で発生する台風は、台風の北側に高気圧にあると北上出来ずに西寄りの進路を取りやすくなります。高海水温域の南海上を進み発達しながらフィリピン付近などへ向かう事が多くなります。

去年と同じ数の台風が発生するならば、まだ台風シーズンの折り返し地点なのかもしれません。

2013年台風30号(フィリピン)の被害概要について(国交省)

気象解説者/気象予報士/防災士/ウェザーマップ

Yahoo!ニュースエキスパート。沖縄生まれ沖縄育ち。お天気キャスター中に本格的に気象予報士資格を取得したいと思い、2005年に沖縄初の女性気象予報士になる。TBS系列『RBC THE NEWS』(月~金)に2016年3月まで出演し上京。日々の番組内での天気解説や報道取材を通して見えてきたもの、天気の移り変わりを綴る。沖縄の観光大使「ミスはごろも」として沖縄観光PR活動も1年間経験。夢は沖縄の天気に関する本を出すこと。趣味は御朱印集めなど。

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