10歳から100社のオーディションを受けて~AKB岩佐美咲さんインタビューその1~
AKBアイドルで、初の演歌歌手 岩佐美咲さんにインタビュー。
シリーズ第一弾!
10代のアイドルが試みた夢実現への道のりとは?
ビジネスにも通じるノウハウ、
『就活必勝法』を引き出しました。
<入りたい会社に入るために必要なこと>。
<岩佐美咲さんインタビュー>パート1
「10歳から100社のオーディションを受けてわかったこと」
Q 近くで見ても、アイドルって、本当に可愛いんですね。
A いやいやいや、みんな可愛いですよ(照れ笑い)。
Q 愛称の「わさみん」って、呼んでいいですか。
A もちろんです! どうぞよろしくお願いします!
Q 今、19歳ですよね? 私は大学生を相手にセミナーをしたりするんですが、とりあえず就活はするものの、将来何していいかわからないという学生も多くて。わさみんは、いつから夢を持っていたんですか?
A 物心ついた時、幼稚園に入ったくらいから、歌手になりたいとずっと言っていて…。
Q 家族の誰かの影響ですか? わさみんの家族構成は?
A 父、母、姉、妹。三姉妹です。
Q お姉さんの影響とか?
A いえいえ、全然。三人姉妹の中で、私だけ、全然性格が違っていて。二人は、真面目で。
Q わさみんも、真面目じゃないですか(笑)。
A あ、いえ、なんていうんですか、そういう、目立ったことをしたがらないというか。
Q 大人しい感じなのかな? でも、三人とも、美人姉妹なんでしょう? 何歳違いなの?
A いえいえ、そうでもないですよ(笑)。お姉ちゃんが23歳、妹が高校3年生。お姉ちゃんは、パティシエなんですよ。
Q お姉ちゃんもみんなの憧れの職業についているんですね。
A そうですね! お姉ちゃんも、お菓子の学校に通って、夢をかなえましたね。妹も動物がすごく好きで、ペットトリマーになりたいみたいで、学校を探しています。
Q ペットトリマーの方を取材したことがありますが、ワンちゃんもストレスがたまっているらしく、トリミングするのに預けられて、「じゃあね」って飼い主の方がいなくなった瞬間に、ふーっと力が抜けるというか。飼い主が戻ってくると、また、愛想をふりまいて。トリミングされている時だけ、素に戻っているらしいです。全然、態度が違うんですって。
A やだー(笑)、可愛いー。ワンちゃんも大変なんだあ。お疲れ様です。
Q 話を戻して。で、わさみんは、いきなり、歌が好きだったんですか?
A おじいちゃんとおばあちゃんが二人とも、演歌が好きで。おじいちゃんは、北島三郎さん、おばあちゃんは、美空ひばりさん、都はるみさんが大好きで。一緒に住んでいたんで、日常的に聞いていました。
Q 歌が好きになるきっかけとして、よく親戚や家族の前で歌ったら、みんなにほめられてうれしかったから、というようなことがありますが、実際そうでした?
A ほんとに、その通りです。まさにそれをやっていて。近所のおじいちゃん、おばあちゃんを集めて、30くらいのちょっとした石段の上に立ってコンサートをやっていました。
Q やっぱり、そうなんだ(笑)。じゃあ、近所でも有名だったんですか?
A ええ、私が歌手になりたいことは、有名でしたね。
Q 歌が好きだったんですか? 注目されるのが好きだったんですか?
A 注目されるのも相当好きな子でしたね、昔は。
Q 今は、違うんですか?
A 今は、そんなことはないんですけど。小学校までは、すっごく目立ちたがり屋で。み
んなの前でしゃべるのも、歌うのもすごく好きで。
Q じゃあ、一人で石段に上がって?
A どういう流れか、覚えてないんですけれども、近所の人たちが仲のいい地域だったんで、自然と、外で遊んでいて、「コンサートやるから観てて!」と言っていたと思います(笑)。
Q それでみんなが観にいったら、歌がすごくうまかったわけですね。
A いや、それがすごく下手だったんです(笑)。「おおきな栗の~、木の下で~」とかを歌っていたんですよ。幼稚園児だったんで。自分では歌がうまいと思っていました。私は歌手になりたい、だって歌がうまいもんと。
Q でも、絶対、誰かが「歌がうまい」って言っているはずですよ。
A ええ(笑)。「私、歌手になりたい!」「歌、上手だもんね」と、みんな、ちっちゃい子にはお世辞を言うじゃないですか。それを真に受けていたんです(笑)。
Q 小さい時って、野球選手になりたい、歌手になりたいって、みんな、一度は思うじゃないですか。でも、だんだん気づきますよね。夢かなと。どのへんくらいから、本気度が増してきたんですか?
A お母さんも、昔、アイドルになりたいという夢を持っていたんですよ。ピンク・レディーさんが好きで。そのぶん、私の夢をすごく応援してくれていましたね。
Q お母さんもアイドルになれそうなくらい、可愛いんですか?
A いえいえ、普通です。
Q 身内に厳しいですね(笑)。
A 普通のお母さんなんですけど、私に夢を託してくれるというか、応援してくれたんです。なので、小学生になった時、「歌やダンスを習ってみたら」と言ってくれて。
Q え? ちょっとしたステージママみたいな感じ?
A そうですね。
Q そうですね(笑)?
A 全然厳しいわけではないんですけど、応援してくれていて。「やったら」とすすめてくれていたのが、お母さんだったので。小学1年で、ダンススクールに通い始めました。
Q その頃からオーディションも受けたりして?
A 受け始めたのは、4年生の時から。
Q そういうオーディションというのは、誰が見つけてくるの?
A お母さん(笑)。オーディション雑誌を毎月買っていましたね。履歴書を書いて。
Q え? 小4の時から、履歴書を書いていた?!
A はい。書いていました(笑)。
Q え~?! 特技とか、なんて書いていました?
A えーっと、特技は、「歌うこと、ダンス」。
Q 実際のオーディションでは、どんなことを聞かれるんですか?
A 「どうして、この事務所に入りたいと思ったんですか」とか。「何か特技があれば、披露してください」とか。「ご自分の長所、短所を教えてください」とか。
Q じゃあ、ダンスもその場でぱっとできたんですね。はあ~、すごいですね。長所はなんて言ったんですか?
A 「一度やると決めたらやり通す」というようなことを言っていましたね。
Q 短所は?
A 短所はいっぱいあったんですよね(笑)。「面倒くさがりや、朝が弱い」とか。
Q そういう履歴書の書き方やオーディションでの受け答え方は、お母さんと一緒に相談しながら書いたり、練習したの?
こういうの、いいんじゃないって。
A はい。聞いていました。
Q じゃあ、本当に、お母さんと二人三脚だったんですね。
A はい。だから、本当に、感謝しています。お母さんがいなかったら、ここまでやっていないと思います。
Q じゃあ、二人でオーディションを見つけては、対策を考える。雑誌に付箋を貼って?
A ほんと、そうです(笑)。お母さんが、ここはよさそうというのをチェックしてくれているんですよ。
Q ええ~、選ぶポイントは?
A まず、歌手になりたかったので、歌手の方が所属している事務所。いろんなジャンルを扱っている事務所。
Q つまり、芸能事務所のオーディションを受けていたんですね。
A はい。その中で、AKBのオーディションも見つけたんです。
Q その頃って、どれくらいオーディションを受けていました?
A まず、書類選考に通らないと、面接をしてもらえないので、書類だけだったら、相当送りましたね。月に10通くらいですかね。
Q じゃあ、3日に1通。すごくないですか?! 小学生なのに。下手したら、大学生より就活していますね。やっぱり、夢をかなえようとする人は、これくらいするんですね。
A ほんと、就活ですね(笑)。そのうち、芸能事務所にも詳しくなりました(笑)。
Q じゃあ、小学生の時から、事務所の傾向性とかわかるわけでしょ。
A はい。あの事務所は、こういうジャンルに強いとか(笑)。
Q すごいね。小4から就活。AKBはどういう応募条件だったんですか。
A 研究生のオーディションだったんですね。私が受けたのが、7期生だったんですけど。
Q その頃は、AKBは知られていましたか。
A いやいや、まだまだ。秋葉原48と、言われていた頃です。
Q どうして受けたんですか?
A 毎日歌って踊って、ステージをやっていること。やはり、秋元康先生がやられていること。いろんな夢を持っている子がアイドルで終わるんじゃなくて、最終的に、その夢に飛び立っていくためのグループということ。歌手になりたかったので、チャンスがあると思ったんです。歌って、踊るというのがすごく好きだったので受けました。
Q つまり、こういうことだよね。歌手になって、デビューしたかったら、パターンとして、レコード会社のオーディションを受けたり、バンドを組んで、インディーズから出るという方法もあるけれど、わさみんは、まずは、アイドルになって、ステージで歌うという経験を積んでいこうと考えたわけですね。夢に近づくためにはどうすればいいかと。
A そうですね。とにかく、何かをやりたい、経験を積みたいと思ったんです。
Q すごいですね。これは、世の、夢をかなえたい人に伝えたいですね。とにかく、何かをやる。動いていく。AKBのオーディションを受けたのは、何歳だったんですか。
A 中1です。
Q それまでのオーディションは受からなかったの? 受かったけど、行かなかったの?
A バックダンサーのチームに受かって、やらせてもらっていたんですが、やっぱり歌手になりたいなと思って。あとは、書類受かって、面接までというのは、けっこうあるんですよ。面接からが難しいんですよね。なかなか受からないんですよ。
Q 自分でいろいろやってみて、失敗したな、あそこはよくなかったなと反省しました?
A はい。やっぱり、怖いって思っちゃって。面接官の人を。
Q そりゃあ、怖いよね。10歳からしたら、知らない大人からいろいろ質問されるわけでしょう。
A はい(笑)。テレビで言われている圧迫面接ってあるじゃないですか。わざと、意地悪な質問をするという。こちらも緊張しているから、
意地悪されているような気持ちになっちゃうんですよ。
Q 例えば、どんなことを聞かれるんですか?
A 例えば、「それは、なんでですか?」「それのどういうところがいいの?」とか。
Q ああ、どんどん追及してくるんですね。
A 「それに関してのエピソードはありますか?」とか。例えば、さっきの「一度決めたらやり通すことです」と言ったら、「そのエピソードを教えてください」と聞かれちゃうんです。ちっちゃいから、答えもそこまで用意していないし、すぐにぱっと言えないんです。
Q いやいや、大人でも、それは難しいですよね(笑)。
A 圧迫されちゃうと、緊張しちゃって。
Q 圧迫面接を10歳で受けていたなんて。もう、すごいよ。えらいよ。よく頑張ったね。ちなみに、その面接官の方たちって、いくつくらいなんですか?
A いろいろ違うんですけど、若い方もいれば、すごく上の方もいるし。
Q じゃあ、親以上の年齢の大人の追及に答えていっていたわけですね。面接官は、子供に向けて、「○○じゃないのお?」とか、優しい口調で言ったりしないの?
A しないですよ、全然。怖いですよ。
Q ええ?! ほんとに。厳しい世界ですね。じゃあ、場数を踏んでいって、自分でもっとこうしたらいいんじゃないかと対策を練って? 就活で頑張っている学生さんに伝えるためにも、どうやったら、面接に受かるんですか。コツとかありますか?
A なんか、答えを固めすぎないほうがいいと思います。
Q ちょっと、わさみん、就活セミナーできますよ(笑)。すごく、説得力がある!! アイドルが教える面接に受かるコツっていうのは、新しいですよね。答えを固めないというのは、どういうことですか? きっとこういう質問がくるから、こう来たらこう答えて、と考えすぎないってことなのかな。準備をしすぎない、臨機応変に対応していくということ?
A はい。やっぱり、一つひとつの会話なんで。
Q なるほど~。すごくいいこと言いますねえ。それを10歳から始めて、だんだんわかってきたんですね。中1の頃までに、100社くらいは受けていたんじゃないの?
A はい。100社は受けていましたね(笑)。
Q そうなると、オーディションの常連というか、いつも見る顔もあるんじゃないですか?
A でも、周りが見えていないというか、それどころじゃなかったですね。
Q 自分との闘いですものね。子役を目指している人だったら、劇団とか、スクールに入るじゃないですか。
A 入らなかったですね。お金かかるじゃないですか。
Q オーディション受けるにも、衣装代とか、交通費とか、かかるしね。
A 普段はラフな格好をしているんですが、AKBのオーディションの時は、アイドルだから、可愛い格好をしなきゃと思って、わざわざフリフリの服をお母さんと一緒に選びました。
Q お母さんもだんだん慣れてきますよね(笑)。
A はい(笑)。白いワンピースが印象いいだろうと。
(パート2に続く)