歯みがきしてるか否か、その回数は…歯みがきの実態をさぐる
虫歯予防としてもっとも手軽に低コストで行えるのが歯みがき。しかしながら食事をするたびに行う必要があることや、道具が無ければできないこと、怠ったことで生じるマイナスの影響がすぐには生じないことから、消極的な人も少なくない。今回は厚生労働省が2017年6月に発表した歯科疾患実態調査(※)の2016年調査分の概要から、歯ブラシの使用状況、つまり歯みがきの実情について確認する。
虫歯予防の一環として、歯ブラシを使った歯みがきは欠かせない。通常は一日三度の食事を摂るため、食事後毎に歯みがきをするとなれば、一日三回は歯みがきが必要になるし、間食後に歯みがきをするのなら回数はさらに増える。他方、場所柄歯みがきが難しい場面での食事(例えば外食時)は減り得る。
今件は歯ブラシを一日何回用いているかについて尋ねたものだが、「毎日みがく」人は調査のたびに増加し、直近では95%を超えている。
みがく回数も「一日一回」が減り、まずは「一日二回」が増え、さらに最近ではそれも横ばいの動きを見せると共に「一日三回」が漸増している。つまり「みがかない人が減り、みがく人が増えている」「みがく人においてもみがく回数が増えている」ことになる。
毎日歯をみがいても虫歯になる人はいるし、みがかなくても虫歯にならない人もいる。しかし虫歯予防・口臭予防のために歯みがきは欠かせない。その観点では歯みがきをする人が増え、その回数も増えているのは喜ばしい状態に違いない。
一方でみがき方を間違っていては、いくら歯をみがいても効果はあまり望めない。例えば日本歯科医師会の専門ページ「ブラッシング - 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020」などを参考に、あるいは専門医が登録した動画を観て正しい歯の磨き方を再確認してみることをお勧めしたい。
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※歯科疾患実態調査
歯科保健状況の把握のために必要な資料を構築するため、1957年以降6年毎に実施しているもの(2017年発表分からは5年おきに変更されている)。今回概要が公開された2016年分については、2016年の国民健康・栄養調査において設定される地区(2010年の国勢調査の調査区から層化無作為抽出された世帯)からさらに抽出した地区の満1歳以上の世帯員を調査客体とし、国民健康・栄養調査の身体状況調査と共に実施(熊本地震の影響により熊本県全域を除く)。調査対象者数は男性2868人・女性3410人の計6278人。一部は質問紙調査だけでなく口腔診査受診も実施している。