アダルトチルドレンの3つのタイプと特徴について解説
こんにちは、精神科医しょうです。
「アダルトチルドレン」の用語は1970年代にアメリカで提唱され、昨今では日本でも定着してきています。
アダルトチルドレンは医学用語や診断名ではなく、自己認知に関わっている言葉だと言えます。
もともとはアルコール依存症の親の元で育った人を指す用語に限定されていましたが、機能不全家族で育ち親からの虐待や暴力を受けて育った人も指すようになったことから、自分はアダルトチルドレンだと自認する人が増えたと言えます。
アダルトチルドレンは、生きていく中でさまざまな苦悩や生きづらさなどの問題を抱えることが多いと言われています。
そこで今回は、アダルトチルドレンについて理解を深めるために、3つのタイプと特徴について解説したいと思います。
アダルトチルドレンの3つのタイプとは?
特にアルコール依存症の親を持つ子どもは、以下の3つのタイプに分かれると言われています。
- 責任を負う(責任者)
- なだめる(調整役)
- 順応する(順応者)
子どもがこれらの役割を分担するということは、親がそれらの役割を果たしていないということになります。
責任を負ってなだめていくのは本来であれば、親の役割ですがその親が親としての機能を果たしていないために、子どもが親の役割をとり、演じてしまうと言えます。
責任を負う(責任者)
このタイプの人は過剰に責任を取ろうとする一種の強迫的な思いがあります。
何かを決定しないといけない時に親が逃げてしまうので、子どもが代わってその役割を背負います。
そのため、学校においても社会に出てもいつも仕切って責任を負う立場に身を置いてしまい、イヤなことを「イヤだ」と言えず何でも引き受けてしまいがちです。
責任感は人一倍強いのですが、他人に任せることがこわく、チームプレーは非常に苦手な傾向があります。
背負わなくても良いことまで背負ってしまうので、疲れやすくストレスを抱え込んでしまいやすいのですが、周りからは好きでやっているのだと思われてしまい、理解が得られないことが多くあります。
最終的には自分で自分を責めることにもつながり、自己肯定感は大きく低下してしまいます。
なだめる(調整役)
親の不和や緊張に満ちた空気を何とか解消しようと、いろいろな役割を担います。
対立を仲裁したり、あえて笑いをさそったりして、家族間の息苦しい雰囲気を和ませようと尽力します。
調整役の役割はさらにいくつかのタイプに分かれます。
・スケープゴート
・ピエロ
・ヒーロー
・ケアテーカー
順番にみていきましょう。
・スケープゴート
両親の関心を一時的に自分に集中させて、夫婦の対立を緩和させます。
病弱な子どもやできの悪い子ども、問題行動を起こす子どもとして、家族の不幸の根源である困りものの役を演じ、「悪いことはすべてこの子のせい」という犠牲の羊の立場になって、家族を支えます。
・ピエロ
冗談ばかり言って笑わせたり、おどけてみせたりして沈黙や緊張を和らげます。
社会に出てからも、忘年会や新年会で人を笑わせるキャラを演じたりして人の笑いを誘う役割を果たすのですが、絶えず周囲の雰囲気を意識しなくてはならず、大変疲れます。
・ヒーロー
スケープゴートとは逆で、家族の希望となる存在です。
勉強の成績が良い、運動神経がバツグン、いつも表彰されるなど、親に喜んでもらうために頑張り続けます。
どんなに両親が不仲であっても、自分が親の意向に沿って実績を積めば、二人が喜んでくれると、自分の気持ちを犠牲にしてしまいます。
・ケアテーカー
ダメな父親や母親の面倒をみたり、弟や妹の世話をしたりなどいつも周りのために尽くします。
家族における自分の存在価値は、面倒をみることにあるとすら考えて生きているため、成長してからも誰かの面倒をみ続けることで、自分の存在意義を認めます。
しかし、周りは自立の能力をそがれてしまい、マイナスの結果につながってしまうこともあります。
順応する(順応者)
順応するタイプとは、いるかいないかわからないタイプだと言えます。
両親が大きな喧嘩をしていても、じっとマンガを読んでいたり、黙々と食事をしていたり、さっと自分の部屋へ行ってしまったりします。
周囲にどんなことが起きようとも、自分の世界を守っています。
このタイプは積極的に「イエス」と言わないかわりに「ノー」も言いません。
目立った不適切な言動はみられませんが、友達ができず、常に周囲との距離を保っているため、人と親密になれず、人間関係を形成することが苦手です。
まとめ
今回はアダルトチルドレンの3つタイプの特徴について解説をしました。
それぞれのタイプに関する知見が深まったのではないでしょうか。
先述した通り、アダルトチルドレンは自認することから始まります。
生きづらいのは「自分の気質」「甘え」「性格のゆがみ」だととらえている方でも、もしかしたら自分の過去に要因があるかもしれません。
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