八代亜紀､石川さゆり､森山直太朗､平原綾香と5人のアレンジャーがクリスマスセッション　歌の力を届ける

音楽&エンタメアナリスト

2020/12/19(土) 9:46

生演奏にこだわり、“時を超えた、ここでしか聴くことができないサウンド”がコンセプトの音楽番組『Sound Inn S』(BS-TBS)の、毎年恒例のクリスマススペシャルが、12月19日(土曜日 19：00～20：00)にオンエアされる。今年はゲストに石川さゆり、平原綾香、森山直太朗、八代亜紀(五十音順)を迎え、アレンジャーは河野圭、斎藤ネコ、笹路正徳、十川ともじ、冨田恵一という豪華なメンバーが顔を揃え、一夜限りのアレンジのクリスマスソングと映画音楽が次々と披露され、幸せな時間が生まれている。

八代流の「Silent Night」の温もりに包まれる

トップバッターは八代亜紀。冨田恵一のアレンジで「Silent Night」を披露。この時季に欠かせないスタンダードナンバーも八代が歌うと、またひと味違う温もりを伝えてくれる。八代は演歌、ジャズ、ブルースと様々なジャンルに挑戦し続け、今年デビュー50周年を迎えた。「YouTuberデビューしました！」とコロナ禍の中で活動自粛が続いた中、新しい事を始めようとYouTubeで「八代亜紀ちゃんねる」を開設したと語っていた。映画『タイタニック』の主題歌『My Heart Will Go On』を、十川ともじの厚いストリングスが印象的なアレンジで歌うと、これも独特の空気の揺れが生まれ、唯一無二の世界観を作り出す。さらに『Unchained Melody』を、ピアノが差し色になって全体を彩る、笹路正徳のアレンジで披露した。厚みがある声と、独特の“節”が味になって、包み込まれるような感覚になる。

森山＆平原が初のコラボ

平原綾香は「テレビで歌うのは初めて」という、リスペクトしているアーティスト･カーペンターズの作品の中でも「特に好き」な「青春の輝き～I need To Be In Love」をチョイス。冨田恵一の繊細で美しいアレンジと、平原の圧巻の表現力が相まって、素晴らしいセッションに。今年、キャロル･キングの半生を描いたミュージカル『ビューティフル』で、主役を演じた平原。この日も、舞台でも歌った「(You Make Me Feel Like)A Natural Woman」を、河野圭のアレンジで歌った。その圧倒的なボーカルから放たれる深く大きな愛は、聴く人全ての人の心に響くはずだ。「こんなに豪華な編成のバンドと一緒に歌えるなんて幸せ」と感激していた。さらに平原は「昔から仲が良くて、親戚みたいな存在」という森山直太朗と、「Happy Xmas(War Is Over)」を初コラボ。斎藤ネコの煌びやかなアレンジが、二人の伸びやかな歌を一層華やかに盛り上げる。

「ビッグバンドをバックに歌えるなんて夢の中で歌っている感じ」(森山)

森山直太朗は7月に配信リリースしたシングル「すぐそこにNEW DAYS」を笹路正徳のアレンジで披露。「ビッグバンドをバックに歌えるなんて夢の中で歌っている感じ」と喜色満面で語り、この作品のミュージックビデオ同様、バンジョーをフィーチャーしたアレンジに乗り、ステップを踏みながらノリノリで歌っていた。

英語曲に初挑戦､石川さゆりの唯一無二の世界観

石川さゆりは初の英語曲を2曲披露した。「歌が歌えない辛さを実感しました。でも何かやらなければと思い、英語の歌を練習しました」と語り、本番前にアレンジャーの斎藤ネコとバンドと入念な打合せを行ないまずは「I Left My Heart In The San Francisco」を披露。艶やかなボーカルが印象的だった。そして帯にサンタクロースの絵があしらわれた着物に着替え、「White Christmas」を、河野圭が手がけたどこまでもストリングスが美しい心温まるアレンジで歌った。初の英語曲とは思えないさすがの表現力で、幸せで温かな世界観を作り出していた。