【新宿区】チョコレートだから叶えられる幸せを! カカオ豆から作るクラフトチョコにはメリットがたくさん
都営大江戸線「牛込柳町駅」より徒歩5分。都バス白61系統「牛込弁天町」停留所のそばに、クラフトチョコレート専門店「ショコラビットラボ」はあります。
カカオ豆からチョコレートを作る「Bean to Bar(ビーントゥバー)」スタイルのお店です。このお店のオーナーは、現役の医師としても活躍される岡本沙織さん。どうしてお医者さんがチョコレート専門店を始めたのでしょうか? 「 おいしいチョコレート」だけでは語り尽くせない魅力をご紹介いたします。
お店の外観
赤い軒先テントと木の扉が印象的な店舗前。あたたかみのある雰囲気に期待が高まります。
入口の右側には、犬を散歩中の人でも気軽に立ち寄れるようにと、リードをかけられるフックも設置されていました。優しい心遣いを感じます。
Bean to Bar(ビーントゥバー)とは
カカオ豆(Bean)から板チョコレート(Bar)を作るまでの全工程を、一貫して製造するスタイルを「Bean to Bar(ビーン・トゥ・バー)」といいます。
カカオ豆は、同じ農場で採れた豆でも収穫年や発酵などのさまざまな条件により、味わいが変化します。その理由は、チョコレートもワインや日本酒のような発酵食品だから。ビーン・トゥ・バーのチョコレートを味わう時は、ワインを味わうようにその時ならではの出会いを楽しむことができます。
ショコラビットラボでは、食の安全性と倫理・環境への配慮を重視し、全ての原材料はトレーサビリティとフェアトレードを確保しているそうです。世界中から輸入されたカカオ豆を砕くところから、チョコレート作りが始まります。
ショコラビットラボのチョコレート
ショコラビットラボのチョコレートは、主な商品は下記の通り。
- カカオ70%のチョコレートタブレット(85%、100%もあります)
- カカオニブ、ローストカカオ豆
- テイクアウトのドリンク類(チョコレートドリンク、カカオジュース、季節限定商品)
手作りのため大量生産こそできませんが、そのかわり、その時期にしか出会えないチョコレートが生まれます。
そして、今年開催された国際品評会「インターナショナル チョコレート アワード2024 アジア太平洋地区大会」では、「マダガスカル100」が銀賞を受賞!
ショコラビットラボのチョコレートが、手間暇惜しまず妥協せず、こだわりのチョコレート作りをしていることが世界で認められています。
チョコレートの選び方ガイド
たくさんの種類があると嬉しい反面、初めてだとどのチョコレートが良いか決めかねると思います。どれもおいしいのですが、試食できるのはとてもありがたいです。しかし、試食以上に興味深いのは、店内にある「チョコレートの選び方ガイド」です。
チョコレートの味の表現に、「ビター」や「スイート」という表現は聞いたことがありましたが、「ナッティー」「フルーティー」というのは、筆者は初めて聞きました(紙で配布される資料には、「フローラル」「ハーブ・スパイス」という指標もありました)。
カカオ豆の産地ごとに熟成されたチョコレートは、口に含むと香り豊かで、それぞれの個性を感じる味わいです!
味を表現できる言葉があると、チョコの味を記憶しやすい気がします。 味や香りの感じ方には個人差があると思いますが、自分好みの味を言語化できたなら、次回以降のチョコ探しの指標にもなりそうです。チョコレートとより一層仲良くなれるのではないでしょうか。
ショコラビット(しょこらびと)とは
お店のパンフレットには「チョコレートが大好きな人々(ショコラびと)が集い、ショコラビットラボは誕生しました」と書かれていました。
オーナーの岡本さんは、もともとチョコレートが大好きで、Bean to Barのお店に足しげく通い、自宅でチョコレートを独学で作っていたそうです。
独学だからこそ自由に試行錯誤できる面白さは、実験にも通じるようで、お店はラボ(研究所)と呼ぶにふさわしい設備を備えています。文献で学んだことを実践する日々の研鑽と丁寧な仕事で、素材の良さが引き立つオンリーワンの味を作り上げています。
在宅医療とチョコレート
ショコラびとであり、医師として訪問診療にも従事する岡本さんにお話を伺いました。
__なぜ、クラフトチョコレートのお店を出すことになったのですか?
岡本:もともとチョコレートが大好きで、医師としての仕事の合間に趣味としてチョコレートの勉強をしていました。本などで知識を得ると、実際に作りたくなって。作ってみるとさらにその魅力に引き込まれていき、心強い仲間の協力もあって、お店を出せることになりました。
__在宅医療とチョコレートの関係は?
岡本:在宅医療では、さまざまな原因により食べ物を飲み込む「嚥下機能」が低下している方を多く診療します。例えば高齢になると、のどの筋力の低下などで嚥下機能が低下し、誤嚥も生じやすくなりますが、とろみのあるものだと飲み込みやすいんです。チョコレートは栄養価も高く、自然なとろみもつけられる上に、馴染みのある食品だからこそ、介護用の流動食を召し上がっているような方でも「食べたい」と思ってもらいやすい。チョコレートは「食べたい気持ち」と「おいしさ」を両立するのにぴったりだと思います。
岡本:医師として患者さんをサポートできるのは、薬の処方などの医療面に重点がおかれます。もう一歩進んで、日々の暮らしの中で何か力になれることはないかと考えた時、趣味で作り続けていたチョコレートがありました。家族で同じものを食べて「おいしいね」と言い合えたら、大変な中でもホッとする時間が持てたり、心も満たしてもらえるのではないかと感じています。
__普通に食べておいしいチョコレートが、介護にも役立つとは知りませんでした
岡本:介護のためというわけではなく、自分が本当においしいとと思えるチョコレートを追求していきたいと思っています。楽しみながらやってきたことで人に喜んでもらえるなら、本当に嬉しいです。
___素敵なお話をありがとうございました!
チョコレートのラベル作りや、パンフレットのイラストを描いたのも岡本さんご自身とのこと。「好き」「おいしい」「楽しい」がたくさん詰まったチョコレート店を営みながら、現役医師として在宅医療の現場で活躍する岡本さん。2足の草鞋を履くことで、より多くの人に幸せを届けておられると感じました。
チョコレートの食べ比べゲームはいかが?
ショコラビットラボのチョコレートは、厳選された素材そのものの味を味わえます。個性豊かなチョコレートを味わい尽くすために、ちょっとゲーム感覚で自分の舌を試してみませんか?
茶道では「茶カブキ」という、利き酒のようにお茶の特性を当てる遊びがあります。今回はそれを真似してみたいと思います。
- 3種類のチョコレートを用意します。仮にA、B、Cと名前を付けます。
- 3種類の見分けがつかないように、お皿に盛りつけます。
- A、B、Cのうち、2種類だけ(A、Bだけ)食べます。ここで味を覚えます。
- 次に、どれが何かわからないように2種類だけ食べます。ここで食べたチョコが何かを当てます。
ショコラビットのチョコの原料は「カカオ豆」「砂糖(奄美諸島産)」のみ。味の違いを決めるのは、カカオ豆そのものの味です(100%のものは、表記されるのは「カカオ豆」だけ。いさぎよすぎる!)。
カカオと砂糖の配合を揃えると難易度が上がるので、あえて配合の違うものを混ぜておくのが優しさです。
一人でやってみても深く味わえますが、二人以上でゲームすると勝負心に火がついて、味覚がさえるような気がします。
ゲームとまでは言わずとも、ムシャムシャと食べるのではなく、一口ひとくちを大切に味わいたいときにもおすすめです。ぜひ複数のチョコレートでお楽しみください。