「欧州ツアー」が「DPワールドツアー」へ名称変更。日本でも開催。いよいよ世界のゴルフ界の戦いが本格化
欧州ツアーがビッグニュースを発表した。11月下旬の2022年シーズン開幕に合わせ、欧州ツアーの名称が「DPワールドツアー」に変更されることが決まった。言い換えると、ドバイのサプライチェーンであるDPワールドが欧州ツアーのタイトル・スポンサーになったという意味である。いよいよ、世界のゴルフ界の戦いが本格化したと言っていい。
欧州ツアーとDPワールドが最初に手を結んだのは、欧州ツアー独自のポイントレースとして「レース・トゥ・ドバイ」が創設された2009年に遡る。以後、両者は徐々に関係を強化し、ともに歩んできた。そして今回、欧州ツアーそのものを資金面から大がかりにバックアップするという契約を結んだ。
これにより、欧州ツアー、いやDPワールドツアーの賞金額は大幅にアップし、2021年は1億400万ドルだったものが、2022年は初の2億ドル超えとなる。最終戦のDPワールド・ツアー・チャンピオンシップの賞金総額も初の1000万ドル超えとなるなど、あちらこちらで「初」が続出することになる。
ツアー日程や開催場所にも大きな変化が出る様子である。
2022年は年間47試合が予定されており、世界27か国での開催となる。その27か国の中にはUAEや南アフリカ、ベルギー、そして日本も含まれているという。
すでに欧州ツアーと米ツアー(PGAツアー)は今年、部分的提携を結んでいるため、47試合のうちの3試合(ジェネシス・スコティッシュ・オープン、バーバソル選手権、バラクーダ選手権)は米欧共催大会となる。
言い換えると、47試合のうち、欧州の土の上で開催されるのは23試合のみに留まり、その数を上回る24試合が欧州以外で開催されることになる。つまり、欧州ツアーはDPワールドツアーへ名称が変更されるとともに、より一層、ワールドワイドなツアーへと変化していくことになる。
賞金が大幅アップするのだから、選手たちにとっては朗報と言っていい。転戦が大変になると言っても、そもそもが毎週毎週、「国外」へ移動している彼らにとっては、転戦範囲の拡大は、さほど苦にはならないだろう。
欧州ツアーのキース・ペリー会長は「ツアー名に『ワールド』が入ることは、私たちのグローバルなツアーの性質をより良く反映してくれる」と喜びを語っている。
米ツアー(PGAツアー)のジェイ・モナハン会長も「米欧両ツアーはともに成長する用意ができている。これからの10年は、今までにないほどの急成長をする。この発表はその証の1つだ」と熱く語っている。
欧米のツアーが手を取り合ってワールドワイドなツアー展開を打ち出し、マネー力もアップ。この動きは、PGAツアーに対抗して立ち上げられようとしているサウジ・マネーによる新ツアーを意識した対抗策と考えるのが妥当であろう。
いよいよ、世界のゴルフ界の激しい戦いが本格化したと言っていい。