Yahoo!ニュース

裏垢バレて炎上、相次ぐ。YouTuberや人気声優が誹謗中傷めぐり謝罪へ

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
(写真:イメージマート)

 表のアカウントでは言えないことをつぶやく裏垢(裏のアカウント)がバレて炎上してしまう、というのはよくある事件ではありますが、2022年8月はそんな炎上事例が相次いで起きたのでまとめました。

批判ツイートで炎上。裏垢で自分を擁護したことがバレてさらに炎上

 8月の一番大きな炎上事例と言えば、人気YouTuberグループ『フォーエイト48』のメンバーのゑむ氏(えむし)による裏垢を使った自分の擁護でしょう。

 8月10日、インフルエンサーのゆりにゃさんが、フォーエイト所属のゑむ氏が過去に自分の容姿を批判していたことについて怒りを表明。

 同日にゑむ氏はTwitter上で謝罪しました(現在は後述するアカウント削除によりツイートも削除済みの状態)。

 これだけであれば若気の至り、というのもなんですが若いときのバカなツイートが見つかって炎上しただけのよくあることですが、問題はここからです。

 なんとゑむ氏は裏垢を使って「ゆりにゃは誹謗中傷される覚悟がない」などと、ゆりにゃさんへの批判をしつつ、自身を擁護する意見を展開し始めました。

 通常ならバレるはずのない行動とも言えますが、この裏垢が反論するために投稿したツイートのキャプチャ画像にゑむ氏のアイコンが表示されていたことから「このアカウントはゑむ氏の裏垢では?」と騒ぎに。

 これを受けてゆりにゃさんがフォーエイトに問い合わせたところ、フォーエイトは問題のアカウントがゑむ氏の裏垢であることを認め、「一度許していただいたにもかかわらず、私に向けたツイートに対し感情的になってしまい、裏アカを作って自分を擁護し、誹謗中傷するような発言をしてしまったこと、大変申し訳ございませんでした」と再度謝罪することに。

 最終的にゑむ氏はTwitterアカウントを削除する流れとなりました。

YouTuberが嫉妬でライバルチャンネルに裏垢を使って誹謗中傷

 8月17日、パチンコ・パチスロ系YouTuberに対して“某媒体の下請け業者”という匿名アカウントが誹謗中傷を行い始めました。

 そのなかで「金の力は恐ろしい。あんな汚い連中を支持する人がいるとか世も末」、「黒い噂が絶えない」などと誹謗中傷されたYouTubeチャンネル『ぱち馬鹿っ!!』が同日に開示請求を行ったと発表。

 すると、YouTubeチャンネル『春雨サラダ』を運営する人物が「すみません、犯人は私です」と『ぱち馬鹿っ!!』側に対して連絡してきたとのことです。

 そして話し合いがもたれ、『ぱち馬鹿っ!!』は誹謗中傷について説明する動画を、『春雨サラダ』は謝罪動画を同日に公開するという内容で和解に至りました。

『ぱち馬鹿っ!!』の説明動画

『春雨サラダ』の謝罪動画

人気声優が裏垢で同業者を批判。事務所が謝罪

 8月28日、ゲーム『アイドルマスター シャイニーカラーズ』の白瀬咲耶役などを務めている人気声優の八巻アンナさんの裏垢が発覚。

 裏垢のツイートで共演者や同業者に対して「クソ整形性悪女」「お前と写真撮りたくない」などと悪口を書いていたことから騒ぎとなり、8月30日には事務所から謝罪文が発表される事態となりました。

 もともとこの裏垢は鍵アカウントだったのですが、何らかの理由により公開状態にしたことから裏垢の存在が発覚しました(ネット上ではRTキャンペーンに参加するために公開状態にし、それを戻し忘れたと言われています)。

 なお、悪口を書かれていた同業者の声優さんとはすでに和解したと報道されています。

表で言えないことは、裏でも言ってはいけない

 いずれの事例を見てもわかるとおり、表では絶対に絶対に言えないことです。

 だからこそ裏垢で言ったのだと思いますが、表で言えないことは、裏でも言ってはいけません。

 理由はとても簡単で、バレたら炎上を避けられないからです。ネットではバレなかったとしても、パチンコ系YouTuberの事例のように開示請求をされてしまうレベルであればリアルでバレる結果になります。

 であれば、最初から表のアカウントで言えることだけを言うことをおすすめします。

 鍵をかければ大丈夫と思っているかもしれませんが、ネットに書く=世界中に発信することです。それがバレたら一巻の終わり、というような内容をネットに書くのはやめた方がいいですよ。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。インターネット(SNS)で起きる炎上の解説、デマのファクトチェック、スマホやガジェットの話題、生成AIが専門。最近はYouTubeでも活動しています。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

篠原修司の最近の記事