【JAZZ】降誕祭に舞い降りる掟破りのソロ・ピアノ(山下洋輔「クリスマス・ジャズ・ナイト」)
“ジャズの醍醐味”と言われているライヴの“予習”をやっちゃおうというヴァーチャルな企画“出掛ける前からジャズ気分”。今回は、山下洋輔「クリスマス・ジャズ・ナイト」。
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2012年に古稀(70歳)を迎えた山下洋輔が、落ち着きを見せるどころか音楽界のボーダーラインを侵食すべくますます過激化しているのは周知のとおりだ。
すでに伝説となっているゲンコツ、肘打ち、弦切りはもとより、燃えるピアノが崩れ落ちるまで弾き続けるといった“荒業”をパフォーマンス・アートとしての追求とするならば、近年の彼の活動は西洋音楽があえて触れずにしまっておいた“神域”とも言うべき部分へ踏み込んでいる感がある。
クラシックの封印を解く新たな“荒業”へ
それは単に、クラシックをジャズにアレンジするというような短絡的なアプローチではなく、バッハやモーツァルト、ベートーヴェンらが揺れたくても(つまりスウィングしたくても)揺れずに我慢するために自らを律して作り上げた構築美の源泉に立ち戻り、“揺れる意味”を確認しようとしているように見える。
共演者を伴わないソロ演奏では、より自由にそうした曲との対話が可能になるだろう。
クリスマスの夜、山下洋輔が“神域”のさらに奥深く踏み込むにはふさわしい舞台が用意された。“奇跡の音響”と評されるクラシックの殿堂に“なにが降りてくるか”を確かめたい。
では、行ってきます!
山下洋輔メッセージ