善光寺落下のドローンは生放送中の事故。規制で防げない機種をどうするか?
9日午前、長野市の善光寺境内にドローンが落下したことが話題になっていますが、このドローンの落下は空撮映像をインターネットで生放送している際の事故であることが分かっています。
持ち主の15歳の少年は、警察に対して「飛ばす練習をしていたら風にあおられて落ちた」と証言したそうですが、映像を観るかぎり7年に一度の行事である“御開帳”を中継して視聴者の注目を集めたかったようです。
映像では、落下直前に少年が「ちょっと、バッテリーがまずいんで。1回戻します」と話しており、バッテリー切れ、もしくは通信障害により落下した可能性が高いと考えられます。
落下ドローンは規制の対象外
今回落下したドローンは、映像に写っているコントローラーからおそらく価格15万円前後の空撮用ドローンだと思われます。
先日、政府が飛行範囲が広いドローンに対して無線免許を義務付ける方針を発表しましたが、今回のドローンは通信距離が最大でも2キロメートルであり、免許が不要です。
購入時に氏名や住所の登録は必要ですが、早い話、手に入れてしまえば今回のように少年でも簡単に飛ばせてしまいます。
善光寺ではマスコミに対して空撮禁止との指示を出していたそうですが、個人の利用は想定いなかったとのことです。ただ、仮に個人に禁止を通達していても、飛ばされてしまえばそのドローンから発信者を突き止めるのは難しいでしょう。
さらに今回の少年は、以前、川崎中一殺害事件で容疑者の自宅前を生放送する騒ぎを起こした人物と同一であり、こうした自己顕示欲の前に罰則のない通達は意味のないものなります。
今後、こうしたドローンによる空撮事故はますます増えていくと思われます。その際に、規制対象外のドローンをどう取り扱うのか? 拙速なドローン規制によって成長産業へ悪影響を及ばすことがないよう、今から考えていくことが重要です。