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NY原油22日:米原油在庫の急増が嫌気され、期近続落

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

NYMEX原油5月限 前日比0.45ドル安

始値 56.34ドル

高値 57.19ドル

安値 55.73ドル

終値 56.16ドル

米原油在庫の増加が嫌気され、期近主導で下落した。

米エネルギー情報局(EIA)発表の原油在庫(4月17日時点)が前週比+531.5万バレルの4億8,900.2万バレルと急増したことが嫌気され、戻り売り優勢の展開になっている。米国内産油量は前週の日量938.4万バレルから936.6万バレルまで2週連続で下振れしたが、それでも在庫増加トレンドに変化が見られないことが、失望売りを促している。現在の原油市場では、「シェールオイルの減産兆候」と「足元の需給緩和」のどちらを重視するのか難しい判断を迫られており、最近は前者の減産兆候を重視する傾向が目立っている。ただ、本日は素直に原油在庫の増加が嫌気され、マイナス圏に沈んでいる。

サウジアラビアはイエメンでの空爆終了を発表しているが、反体制派の軍事行動は排除しない姿勢を示しているため、特に地政学的リスクのプレミアム剥落を促すような動きは見られなかった。従来との比較では、イエメン発で中東情勢が大きな混乱状況に陥るリスクは限定されることになるが、もともとイエメン情勢はそれ程重視されていなかったことが窺える。

引き続き、「シェールオイルの減産兆候」と「足元の需給緩和」のどちらを重視するのかで決まる相場環境にある。需給緩和状態には変化が見られないことを考慮すると、4月の上昇地合には強い違和感がある。冷静に考えれば、シェールオイルの生産が日量数万バレル減少したとしても、大きな意味はない。それ以上にOPECからの供給が増えており、供給サイドで需給引き締め圧力が強まるような環境にはない。短期トレンドは明らかに上を向いているが、今後は高値是正の必要性が強く、下値不安の大きい価格水準と評価している。ただ、シェールオイル生産が当面のピークを確認するステージを迎えているのも事実であり、将来の需給均衡化を先取りする動きが加速する流れには注意が必要。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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