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7月決定会合で利上げ決定かとの見方強まる。日銀関係者から政策金利は明らかに低すぎるとのコメントも

久保田博幸金融アナリスト
(写真:つのだよしお/アフロ)

 ロイターは26日、下記のタイトルの記事を報じた。

「Bank of Japan opens door for a hawkish double surprise」

 これはつまり7月30、31日の金融政策決定会合において、タカ派的な2つのサプライズが決定される可能性あり、ということである。

 これはいうまでもなく、国債買入の具体的な決定だけでなく、同時に利上げを決定する可能性ありということになる。

 FRBなどはテーパリングと利上げについては時期を分けて行ってきたこともあり、日銀は同時には行わないとの意見もあった。

 しかし6月の決定会合において「バランスシートの縮小は、拡大した日本銀行の市場への関与を市場への攪乱的影響を避けつつ減らしていくことが目的であり、金融政策とは切り離して行うものである」(主な意見より)との指摘があった。

 これは審議委員の意見というよりも執行部の意見と私は受けとった。つまり、国債買入の減額と利上げを同時に決定する可能性はありうるということである。

 英文記事ということもあり、円安に対処するといった意味合いもあったのかもしれない。

 また、政治日程を考慮すると9月の自民党総裁選があり、9月の金融政策の変更はタイミングからも難しい。このため利上げも7月の会合で決定するという可能性は高い。

 ロイターはダブルサプライズと報じたが、7月会合前までに今後1年から2年かけての国債買入減額のスケジュールはある程度明らかになると予想される。少なくとも国債買入減額はすでに6月会合で決定されていることからもサプライズとはならないであろう。

 ロイターの記事のなかに下記のようなものがあった。

 Given what's happening with inflation, interest rates are clearly too low,said one of the sources.

 物価の状況からみて、政策金利は明らかに低すぎる。これは日銀関係者(事情に詳しい関係者か)からのコメントのようだが、実はこれこそ日銀の関係者のみならず市場関係者も思っていたことであろう。

 しかし、過去の経緯からみてもだから利上げをするというのは難しいはずとの認識も強かったかと思う。実際、下記のような関係者の発言が続いていた。下記はこれまでの発言等をくり返しているように思えた。

 "Much depends on upcoming data, but a July rate hike is a possibility," another source said, a view echoed by a third source.

 データ次第では利上げの可能性がありうるとしたものだが、そのデータそのものからすでに政策金利は低すぎるという結論は出ないのであろうか。

 日銀が物価目標としている日本の消費者物価指数(除く生鮮)は、2022年4月以来、2%を超え続けている。しかもこれは政府の物価高政策で抑えられた数値でもある。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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