吉澤ひとみさん「飲酒運転だけは絶対に許せない。極刑にするべき」発言はデマ。根拠のない内容が広まる
元「モーニング娘。」でタレントの吉澤ひとみさんが飲酒運転とひき逃げの容疑で逮捕されたニュースを受けて、あるひとつのデマがインターネット上で広まっています。
それは吉澤ひとみさんが過去に「飲酒運転は許せない。極刑にするべき」と発言していたというものです。
問題のデマ
これが本当であれば「このような発言をしておいて飲酒運転するとは……」といういわゆる「ブーメラン」になるわけですが、筆者が調べたところデマだと判断できました。
事故前に発言の記録がない
まず、検索エンジンで吉澤ひとみさんがこのような発言をしていたのか調べました。
しかし、逮捕報道の9月6日以降の日付ではたくさん見つかるものの、9月5日以前の指定ではまったく見つかりません。
少なくとも逮捕報道の前にはインターネット上に存在しなかった発言です。
筆者が発見できたなかで一番古いものは、インターネット掲示板『5ちゃんねる』に9月6日19時33分に書き込まれた投稿です。
しかし、なかには「テレビやラジオ、雑誌で発言したのではないか?」と疑う人もいるでしょう。そこで新聞や雑誌の記事を検索・閲覧できる有料サービスでも発言を探しましたが、こちらでも見つけることはできませんでした。
そこで今度はデマの内容に着目しました。
弟さんは飲酒運転事故の犠牲者ではない
このデマでは「吉澤ひとみの弟は、飲酒運転をしていた男の車に轢かれて亡くなった」とあります。
吉澤ひとみさんの弟が交通事故で亡くなられたのは事実です。けれども、この事故で容疑者からアルコールは検出されていません。
アルコールが検出されていないのに、どうして「飲酒運転をしていた男の車に轢かれて亡くなった」となるのでしょうか?
これは明らかに嘘が混ざっています。
調べもせずに嘘を広めるメディア
問題は、このようなデマを企業が運営するメディアが真実だと配信し、ポータルサイトなどで拡散されてしまっていることです。
例えば反権力ニュースサイトを名乗る『TABLO(タブロ)』というニュースサイトは、“「飲酒運転は極刑にすべき」と語っていた元モーニング娘。吉澤ひとみが飲酒ひき逃げで逮捕”とのタイトルで記事を配信しました(事実確認をどのように行ったのかTABLOに問い合わせ中です)。
このニュースサイトは楽天が運営するポータルサイト『Infoseek』に記事を提供しており、サイト単体だけではなくポータルサイト経由でもデマがまるで真実かのように拡散されてしまっている状態です。
吉澤ひとみさんが飲酒運転事故を起こしたからと言って、デマを利用して誹謗中傷を行うことはあってはならないことです。
もしもこのデマをSNSなどで拡散してしまった方は、リツイートやシェアを取り消してください。
9月10日22時39分追記
記事内で取り上げたTABLOが誤報について謝罪文を掲載したことを確認しました。