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NY金5日:米早期利上げ警戒が続き、小幅続落

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

COMEX金12月限 前日比2.00ドル安

始値 1,106.80ドル

高値 1,111.30ドル

安値 1,103.60ドル

終値 1,104.20ドル

米早期利上げに対する警戒感が強く、小幅続落した。

前日同様にアジアタイムは自律反発的な動きに下値を支えられるも、1,110ドル台回復が精一杯。その後は米早期利上げ警戒感を織り込む形で戻り売り優勢の地合いに回帰し、引けにかけては1,105ドル水準まで値位置を切り下げている。ドル高一服で大きな値動きには発展しなかったが、前日安値を下抜いている。

引き続き、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が年内利上げの可能性に言及したことが、マーケットの警戒感を高めている。前日引け後にはフィッシャー米FRB議長も、米国のインフレ環境について楽観的な発言を行っており、金売り安心感が強い状況になっている。なお実際の利上げ着手を判断するには経済指標を確認するステージが続くことになるが、6日に発表される10月雇用統計の結果次第ではドル買い・金売りの動きが加速する可能性もあり、金相場に対しては戻り売り圧力が強くなっている。

当然に前月同様に雇用統計がネガティブ・サプライズになれば、買い直しが行われるリスクは残る。本日発表された米新規失業保険申請件数が前週比+1.6万人の27.6万人と上振れしたことにも注意が必要。ただ、前日に発表されたADP雇用統計などの数値を見る限りは、強めの数値が出てくる可能性を想定することに無理はなく、金相場を取り巻く環境は厳しさを増している。金上場投資信託(ETF)市場からも資金は流出しており、投資需要環境から底入れを打診するような動きも確認できない。

ドルインデックスに対する割高感は薄れているが、このまま米早期利上げ観測を織り込む展開が維持できれば、1,100ドルの節目は完全に下抜くことになろう。ドル高傾向が維持できれば、年初来安値1,072.30ドルを更新する可能性も十分に残されている。ドル高・商品安のトレンドが維持される中で、金価格が大きく上昇する必要性は見出せない。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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