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NY金30日:FOMC後のドル高で続落、米GDPは市場予測に届かず

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

COMEX金8月限 前日比4.20ドル安

始値 1,096.10ドル

高値 1,097.50ドル

安値 1,081.00ドル

終値 1,088.40ドル

前日引け後の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明を受けて為替相場がドル高に振れたことが嫌気され、続落した。

FOMC声明の発表直後は特に目立った反応は見られなかったが、アジア・欧州タイムに入ると瞬間的なドル高圧力に対する反応を見せ、一時は二桁の下げ幅を記録している。FOMCでは今後の利上げ時期について具体的な言及はなかったが、労働市場の評価などに明確な改善がみられ、利上げ着手への地ならしが進んでいることが強く印象付けられる状況にある。なお9月会合での利上げ実施には不透明感が残されるが、少なくとも利上げがいつ行われても不思議ではないとの見方が、ドルにポジティブ、金にネガティブと評価されている。

ただ、ニューヨークタイムは4~6月期米国内総生産(GDP)が市場予測を下回ったことで、やや買い戻しが優勢になった。今回は速報値になるが、市場予測が前期比+2.5%だったのに対して+2.3%に留まっている。ただ、PECコアデフレーターは前年比+2.0%とディスインフレ傾向からの離脱を強く印象付けされる数値になっていることに加えて、1~3月期分が-0.2%から+0.6%に上方修正されたことで、米経済に対する信認を失わせるほどのネガティブな数値でもない。仮にこの数値が良好であれば金価格は一気に値崩れを起こす可能性もあったが、それに失敗したとの評価で十分だろう。利上げ着手の流れが修正を迫られることはない。

4営業日にわたって安値更新に失敗しており、チャート上でも長い下髭形成が続いており、短期的な下げ過ぎ感が見受けられる状況にある。このために短期リバウンドリスクを完全に払拭することはできないが、あくまでも自律反発的な動きの有無との視点に留まる。中期トレンドは1,130ドル水準まで切り下がっており、同水準を戻り高値に下値攻略の展開が続くとみている。日柄か値柄調整が必要で売り急ぐ必要性までは見出していないが、戻りがあれば売りポジションを構築していきたい。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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