2014年ツール・ド・フランス第8ステージ まだまだ先は長いのである
今年のツールは、1週目から、選手や関係者たちの顔が疲れている。
英国でのスタート。熱狂的な歓迎は嬉しかったが、人が多すぎて気を使った。しかも観客の大半が、ツール慣れしていない。「カーブのありえない場所に場所に観客が立っていたりして、ぶつからないよう、気をつかいましたね」と、新城幸也選手も語る。愛犬連れのファンが多かったのも、「いつ道路に飛び出してくるか分からない恐怖」で、選手たちをハラハラさせたようだ。関係者たちは慣れない左側通行に苦労した。
英仏海峡を越えての移動。選手たちは飛行機で移動したが、大会開催委員、警備設営、キャラバン隊、ジャーナリスト等々はフェリーやユーロスターでの移動が多かった。移動当日にユーロスターの海底トンネル内で電気系故障が発生して……。慌ててフェリー移動に切り替えたり、先導隊が空を飛んだりした。ゴール地設営隊はレース当日朝7時に現場到着。本来ならばゴール地のあらゆる設備は夜間に設営される。
連日ワンデーレースのようなアタック合戦。ツール1週目というのは、普通なら平地ステージが多く、逃げが出来て、それを隊列が追いかけて、壮大な集団スプリントが繰り広げられて……、という永遠のお約束が繰り返されてきたはず。しかし、今年は、開催委員会が少々はりきり過ぎた。リエージュ~バストーニュ~リエージュ風にパリ~ルーベ風のコース設定、強風吹き荒れる北フランスの通過。分断、落車、分断、落車。ディフェンディングチャンピオンのクリス・フルームは、こうして大会を去った。
雨、低温。まるで10月のような天候が連日続いている。いつになったらツール・ド・フランスらしいお天気が来るのだろう。予報によれば2週目半ばまで、こんなひどいお天気のようだ。