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お天気話しを途切れさせないコツ 「ツッコミ」「けしかけ」「かけあい」

りり〜郷ことばのデザイナー
晴れたね。よかったね。

大雨の日々が続いたと思えば酷暑の日々。だれかと会えば自然とお天気話題になりますね。「たまりませんね」「ほんと」「ではまた」と会話がぷっつり切れがちなのはつらい酷暑のせいか。いや雨の日も「雨続きですね」「明日はやむそうです」と無難な応答や常套句で終わりがち。

実は天気の話しかけはむずかしいのです。そのわけは誰も同じ体験をし、同じ感覚をもつので「話が確認になりがち」だから「オチがつくれない」で「話がしぼむ」。そこで今回は「お天気話を長く続かせる」コツをテーマに。

天気へツッコむ!

無難な応答や常套句になりがちな天気話題、実はたくさん話しかける〝ツッコミどころ〟があります。

<天気予報>
今日の予報:「空模様が」「洗濯物とりこんだかな」
長期予測:「今年も暑くなるとか」「夏の五輪は無理ですね」
予報精度:「猫が顔洗ったから雨」「トンビが高く飛んだので晴れ」

余談ですが、幕末の英雄坂本竜馬は土佐の海育ちで、天気を読む名人でした。空を見て嵐が来ると知ると、町中に知らせに走って備えさせたそうです。竜馬は日本の未来の天気も予想していたのでしょう。

<熱中症>
熱中症予防:「水分塩分をとる」「汗をよくかく」
熱中症チェック:「WBGT(暑さ指数)」「熱中症重症度分類」
くらしの工夫:「着るエアコン」「マイナスイオンクーラー」

<美容と健康>
紫外線対策:「男性の日傘」「UVカット眼鏡」
健康知識「気象病メカニズム」「アレルギーや偏頭痛」
栄養知識「雨ダル対策のビタミンBやマグネシウム」

<気候変動>
経済への影響:「食糧品の価格変動」「飢餓人口の増加」
自然災害の影響:「気象災害の増加」「災害警戒レベル」
気候温暖化の影響:「地球沸騰化」「気候工学による対策」

先日私は雨中を歩いていて、昔のヒット曲「雨が止んだら お別れなのね」というフレーズを口ずさみました。「雨が降りしきる愛」とはどんな愛だったのか?二人はどんな関係だったのか?と、落ちる水滴を見つめながら考えてしまいました。

以上、天気話題は空模様にはじまり、熱中症や健康、経済や災害、そして愛など、たくさんツッコミどころがあることがわかりました。これらを使って話しかけてみてください。

話しかけが続く3つの〝けしかけ〟

次は話しかけが続く〝けしかけ〟を紹介します。

1、ひたすら自己語り
「UVケアにはこれ」「日傘の形や生地は…」「やっとめぐりあえたサンバイザー」など、あなたが得意とする分野、たとえば日焼け対策を自己語りするのです。相手もつられて「あたしはね…」と自己語りの応酬ラリーとなることも。

2、相手を思いやる
大雨の日なら「足元にお気をつけください」と行動へ思いやりを、天候変化で不調を訴えるひとには「ヨガで自律神経を整えるといいですよ」と語りかければ、相手は「どうもありがとう、あなたもね」と思いやり合戦を呼び込めます。

3、時系列で語る
時系列とは天気の「過去>現在>未来」です。「昔はこんなに暑くなかったね」「今は蝉も鳴かなくなった」「このまま暑くなったら夏のスポーツは全滅だ」と、過去から現在の変化、現在から未来の変化を入れて話しかけると、話は不思議と途切れないものです。

以上の3つの話しかけは天気以外の話題でも効果あり。

日本伝統の〝かけあい〟話芸

さて日本には話しかけを遊ぶ伝統文化もあります。俳句の句会で「かけあい」をする連句(れんく)がそれです。ひとつ発句(ほっく)してみましょう。

夕立や 雷鳴で空 ひび割れて

最初にお題となる一句を五七五の17文字で詠みます。これに応じて、別の人が脇句(わきく)を、七七の14文字で応じます。たとえば次のように。

西空に引く 虹の弓なり

かけあいを続ける俳句の会を付け合い(つけあい)といいます。日本人は昔から話しかけあいの話芸を極めてきたのです。かけあい漫才などもそのひとつ。最後に、読者に話しかけ遊びのドリルをやってもらいましょう。

てるてる坊主てるぼうず あした天気にしておくれ

という童謡がありますが、このあとに続く「あなたオリジナルのかけあいの歌詞」をひとつ作ってください。まず私がお手本を。

晴れたらおめかししてやるぞ

おめかし坊主さんたち。
おめかし坊主さんたち。

お後がよろしいようで〜。ことば遊びでお天気の話芸を磨こう。ことばのデザイナー/りり〜郷の〝話しかけて心をあげる〟コラムは毎週日曜朝に掲載(予定)。話しかけて自分も社会もハレにしよう。

ことばのデザイナー

人に話しかけると良いことが起きます。あなたも相手もポジティブに明るくなれます。話しかけから人の輪が広がり、支え合いや励まし合いにつながります。読むと誰かに話しかけたくなるこのコラムの書き手は、ライター歴20年、インタビュー歴300件以上、対話力講座の講師や組織改革支援プロジェクトを数百名に数百回の経験があります。かつて内向的で「心の壁の内側」にいた私は、トランスジェンダーとして自分らしく生き直しだしてから、心を開いて人の中に入れるようになりました。〝ヒト•イマ•ツナガル〟の話しかけメソッドで、共に話しかけ上手になりましょう。

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