「スーパーマリオ」の国内出荷数 「あつ森」以外にも三つのソフトが「しれっ」と抜いている件について
1985年にファミリーコンピュータ用ソフトとして発売され、国内出荷数681万本を誇る「スーパーマリオブラザーズ」。同作は「2023 CESAゲーム白書」の「国内歴代ミリオン出荷タイトル」のランキングで、2020年に発売された「あつまれ どうぶつの森(あつ森)」(1061万本)に破られるまで、単一タイトルとしては長年首位を堅持していました。破られたとは言え、驚異的な数字であることに異論をはさむ人はいないでしょう。
ところが今回、「スーパーマリオブラザーズ」の国内出荷記録を、三つのソフトが「しれっ」と抜いていました。「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」(694万本)と「マリオカート8 デラックス」(691万本)、「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」(684万本)です。全てニンテンドースイッチ用ソフトです。
ちなみに「ポケットモンスター 赤・緑」ですが、ランキングでは「ポケットモンスター 赤・緑・青・ピカチュウ・金・銀・クリスタル」として「約2300万本」となぜか概数になっています。CESAによると、ランキングは各社の回答を反映させているので、このような形になるのだそうです。
要するにメーカーが「赤・緑・青・ピカチュウ」と「金・銀・クリスタル」のデータを別々に出したくない……と解釈できますし、それならランキング外の扱いにせざるを得ません。概数にするのは、するなりのやむを得ない理由があると推察されます。
ともあれ、多くの人気ゲームが、長年にわたって抜けなかった「スーパーマリオブラザーズ」の記録が、次々と抜かれてしまうのは、なかなかの驚きです。ゲーム機の国内出荷数ですが、ニンテンドースイッチ本体の3000万台突破は時間の問題で、巨大な“受け皿”があることが大きいでしょう。
そう言えば「ポケットモンスター 赤・緑・青・ピカチュウ」と「ポケットモンスター ・金・銀・クリスタル」もゲームボーイ向けソフトで、ゲームボーイの国内出荷台数は現時点のスイッチを上回る3247万台。驚異的なソフトの出荷記録には、当然ながら驚異的なゲーム機の普及があるわけです。
同時に、スマートフォンで無料のゲームが遊べるにもかかわらず、有料(それも数千円もする)のゲームソフトが、かつてよりも売れたということ。もちろん新型コロナウイルスによる「巣ごもり」の影響もあるのでしょうが、そのままゲームを遊ぶ習慣が定着していると考えても良いのではないでしょうか。
ランキングで5位になった「スーパーマリオブラザーズ」ですが、ゲーム機(ファミコン)を所有する3人のうち1人が持つまでになった快挙が色あせるわけでもありません。さらに同作は、現在のサービスでも遊べてしまいます。そして「マリオカート8」も「スマブラ」もマリオが登場しますから、むしろ「マリオは強い!」と言えなくもありません。
何より、記録はいつかは塗り替えられるもの……という考えもあります。
ファミコンの「生みの親」である上村さんの、開発者の気概を感じる話ですね。確かにアーカイブになるのは、ゲーム産業が拡大し、それを振り返る意味があるからこそです。
ともあれ、今後も次々と売れるソフトが出て、記録を書き換えていく……というのが理想なのかもしれませんね。
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「CESAゲーム白書」は、ゲーム業界団体「コンピュータエンターテインメント協会(CESA)」が1996年から発行している書籍です。31日に発売された「2023 CESAゲーム白書」(A4判、233ページ、7700円)は、ゲームについての市場規模や産業構造の解説、各種データを掲載しています。