藤井聡太七段、最年少タイトルへの展望――第69期王将戦リーグは9月18日開幕
渡辺明王将(35)への挑戦権を争う第69期大阪王将杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)は9月14日に2次予選最後の1局となる三浦弘行九段-佐藤天彦九段戦が行われ、三浦九段が勝った。
この結果挑戦者決定リーグは順位上から久保利明九段(1位)、糸谷哲郎八段(2位)、広瀬章人竜王(3位)、豊島将之名人(4位)、羽生善治九段(5位)、三浦九段(5位)、藤井聡太七段(5位)の7人で争われることになった。
リーグは9月18日大阪市福島区の関西将棋会館で行われる豊島名人(王位)―久保九段戦で開幕する。
藤井七段以外は全員A級棋士
今回のリーグ、藤井七段以外は全員順位戦A級在籍さらに豊島名人のトップ棋士で見どころは多いが、まず世間の注目を集めるのは最年少タイトル獲得記録更新がかかる17歳の藤井七段だろう。
ほかにもタイトル獲得通算100期の大記録にあと一つの羽生九段、また今年度末までに四冠の可能性を残す豊島名人の活躍も期待される。
<藤井七段の対戦相手との全成績>
対久保九段
1勝3敗
対糸谷八段
2勝0敗
対広瀬竜王
1勝0敗
対豊島名人
0勝3敗
対羽生九段
1勝0敗
対三浦九段
0勝1敗
<羽生九段の対戦相手との全成績>
対久保九段
46勝20敗
対糸谷八段
10勝7敗
対広瀬竜王
19勝12敗
対豊島名人
16勝16敗
対三浦九段
33勝10敗
対藤井七段
0勝1敗
<豊島名人の対戦相手との全成績>
対久保九段
14勝15敗
対糸谷八段
15勝5敗
対広瀬竜王
7勝7敗
対羽生九段
16勝16敗
対三浦九段
15勝4敗
対藤井七段
3勝0敗
順位上位はアドバンテージも混戦必至
王将リーグは同星の場合順位上位2名によるプレーオフの規定があり、上位者にはかなりのアドバンテージがある。
データを俯瞰すると藤井七段は豊島名人に3連敗、久保九段にも1勝3敗と負け越しており、若さの勢いがあるとはいえ挑戦への道のりは容易でない。さらにリーグ新参加のため順位5位もマイナス要因。挑戦には苦手とする2人に連勝が必要条件だろう。
羽生九段はタイトル獲得通算99期の実績が示すとおり、安定した数字で挑戦権争いの有力候補も順位5位は不安材料。
豊島名人は昨年からの充実ぶりに加え今年も竜王挑戦を決めたばかりで勢いを感じるが、久保九段、広瀬竜王、羽生九段との星取りが拮抗しており絶対的な本命視はできない。
ここまで見てきたとおり、かつてない強豪ぞろいのリーグで挑戦権争いは混戦になる可能性が高そうだ。