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きょう韓国のドーム球場で初の「ダブルヘッダー」 日本では25年前「西武ドーム」で行われたが…

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
1998年8月、雨天中止が続いた「半ドーム」当時の西武ドーム(写真:室井昌也)

韓国KBOリーグは8月29日、今季の追加日程を発表した。今年は雨の影響による中止が66試合に上り、日程編成上の理由で「ダブルヘッダー」が10カード組まれた。

ダブルヘッダーとは同じチームどうしが同じ日に同じ球場で2回対戦すること。今回発表のダブルヘッダーには韓国唯一のドーム球場、コチョクスカイドーム(以下、コチョクドーム)での開催もある。コチョクドームのダブルヘッダーは今回が初めてだ。

天候に左右されずに試合が行われるドーム球場。今季中止はないが、なぜダブルヘッダーが行われるのか。

コチョクスカイドーム(写真:ストライク・ゾーン)
コチョクスカイドーム(写真:ストライク・ゾーン)

KBOリーグでは公式戦全144試合のうち94試合を開幕前に発表。残り50試合は未編成のまま9月11日以降に行うとしていた。これは雨天中止分のみを追加日程で編成すると転戦が多くなることから、中止分と未編成分を組み合わせることで連戦にするためだ。KBOリーグは1リーグ10球団制。9チームと対戦するため、転戦は極力避けたいという考えがある。

未編成50試合の中にはコチョクドームでのキウムのホームゲーム6試合も含まれていた。未編成試合を各球団均等に設けるためだ。

そのうちの1試合、キウム-ハンファが当初から編成の3連戦の中日(なかび)にダブルヘッダーとしてきょう9月9日(土)に行われる。

日本のダブルヘッダーは25年前が最後

一方、12球団中6球団がドーム球場を本拠地とする日本(NPB)では中止が少なく、ダブルヘッダーは1998年10月10日の横浜-中日(横浜)が最後。その25年前、ダブルヘッダーは「西武ドーム」(現ベルーナドーム)でも行われた。

その年の西武ドームは名前こそドームだが、実際は客席部分にのみステンレスの金属屋根がついた「半ドーム」だった。天井部分の膜屋根はまだなく(翌99年の2期工事で完成)、他の屋外球場同様に雨が降ればその影響を受けて試合は中止になった。

膜屋根のない「半ドーム」当時の西武ドーム。ユネスコ村(「西武園ゆうえんち」から訂正)のUFOから撮影(写真:室井昌也)
膜屋根のない「半ドーム」当時の西武ドーム。ユネスコ村(「西武園ゆうえんち」から訂正)のUFOから撮影(写真:室井昌也)

特に98年は雨天中止が多く、西武ドームでは10月2、7、9日とダブルヘッダーが行われ、7日の第2試合で西武は近鉄に勝ってパ・リーグ連覇を決めた。その日の天気も雨模様で胴上げの瞬間、内野前列の観客は傘をさしていた。

98年オフ、フィールドエリアに組み立てられた膜屋根の骨組。膜の取り付け、リフトアップ後に現在の屋根付き球場になった(写真:室井昌也)
98年オフ、フィールドエリアに組み立てられた膜屋根の骨組。膜の取り付け、リフトアップ後に現在の屋根付き球場になった(写真:室井昌也)

日本でダブルヘッダーが行われていた当時、ファンの立場では「チケット1枚で2試合見られてお得」と思っていたが1日通し券の場合、球団としては1日1試合行うよりも減収となる。今回のコチョクドームでは1、2試合別にチケットを販売。1試合目終了後、観客を全員退場させた後、2試合目の開場を行う。

試合開始は1試合目が14時、2試合目が17時。1試合目の終了が16時30分を越えた場合、第1試合終了の30分後に第2試合を行う。1日に2試合行う選手、チーム関係者が大変なのはもちろん、30分間に観客の入れ替えを行う球場スタッフも大忙しとなりそうだ。2試合目のプレーボールにファンの入場が間に合うかも気になる。

9日はコチョクドームの他、トゥサン-サムスン(チャムシル)、KIA-LG(クァンジュ)、NC-ロッテ(チャンウォン)でもダブルヘッダーが組まれている。

⇒ KBOリーグ公式戦日程と結果(ストライク・ゾーン)

コチョクスカイドーム(写真:ストライク・ゾーン)
コチョクスカイドーム(写真:ストライク・ゾーン)

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FM那覇)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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