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台風10号 記録的な高潮「風津波」のおそれ 各地の満潮時刻は?

三ヶ尻知子気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
ウェザーマップ 台風進路

高潮は、過去の台風で多くの被害を出しています。

1959年、約5000人の死者・行方不明者を出した伊勢湾台風も被害の主な原因は高潮でした。また2005年、アメリカを襲ったハリケーン・カトリーナはアメリカ史上最悪の960憶ドルの経済被害をもたらしましたが、これも特に被害が大きかった原因は大規模な高潮でした。

さらに2013年、近年のフィリピン災害史上最大級の被害を出した台風30号も、6から7メートルの高さに達する高潮で6000名以上の方が亡くなっています。

高潮は「風津波」とも言われている

高潮には、台風の接近により海面が持ち上がる「吸い上げ効果」と強い風が吹いて陸に向かって海水を押し込む「吹き寄せ効果」があります。特に風による「吹き寄せ効果」の原因のほうが多大な被害を出すために「風津波」とも言われています。

今回の台風10号も特別警報級の暴風になるため記録的な高潮に対して最大級の警戒が必要です。

沖縄地方では6日にかけて、奄美地方では6日、九州、四国地方では6日から7日にかけて、中国地方では7日から8日かけて潮位が高くなる見込みです。海岸や河口付近では浸水や冠水のおそれがあります。

特に満潮時刻と重なる前後数時間は警戒が必要です。

各地の満潮時刻

満潮時刻 気象庁・国土交通省報道発表資料一部抜粋
満潮時刻 気象庁・国土交通省報道発表資料一部抜粋

また暴風が吹き荒れる場合は、満潮時刻でなくても高潮が発生するので、満潮時刻に関係なく台風の接近時にも警戒してください。

高潮に備えるには

◆あらかじめ過去の災害を知り、高潮ハザードマップで危険性を把握

◆高潮ハザードマップがない市町村もあるので、その時は自分で判断し、海の近くの方はできるだけ高い所に避難

◆避難場所、避難経路の確認

◆非常用持ち出し品の用意

◆自主防災意識→「自分たちの命は自分たちで守ろう」という連帯感に基づき、一人暮らしの高齢者への呼びかけなど地域住民による組織的な体制を作る

参考 国土交通省 「高潮から身をまもる」

   気象庁・国土交通省報道発表資料

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

1996年に気象予報士の資格取得。大分県出身。日本テレビ、NHKを経て、現在は、TBSテレビ気象キャスター。南国から雪国まで住んだ経験を活かし、主婦目線、母目線で天気を解説。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など

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