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#インプ稼ぎ #インプレゾンビ は儲かるのか? X.comの収益化の条件とは?

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
出典:X.com

IT業界ほど、バズワードが好きな業界はない…。
インプ稼ぎ 』や『インプレゾンビ』とは一体なんだ?と思ったが…『インプレッション』の略称だった。

本来『インプレッション数』は広告が表示された回数で、『ページビューPV数』はユーザーがWebページを閲覧した回数を指す。ただ、X.com(旧Twitter)にはページという概念がないため、『広告表示』と同義の『インプレッション(Imp)』で人気度が測定されている。
つまり、これらがユーザーの収益対象になったことで、インプ稼ぎやインプレ(ッション)ゾンビが誕生してきたのだ。しかし、Twitterの月額サブスクとの損益分岐点を超えるまでには相当難易度が高そうだ。


■これからはXで生計が立てられるようになる by イーロン・マスク

□Xオーナーのイーロン・マスク氏がそう語る。Xは昨夏(2023年7月)、
〈1〉500人以上にフォローされている
〈2〉過去3か月間の投稿が500万回以上閲覧されている――などの条件を満たす利用者に、広告収益の分配を始めた。早速、アカウントを開設し、1日5回の礼拝や食事の時間を除く6~7時間を投稿に費やすようになった。
□「インプ稼ぎ」――。Xの仕様変更により、こう呼ばれる収益目的の投稿が増えている。発信する情報が真実か否かは度外視され、偽情報が量産される要因になっている
□読売新聞はXで、能登地震に関する偽情報を投稿していたアカウントのうち108件を収集した。63件のプロフィル欄には13か国の居住地が記されており、途上国(パキスタンやナイジェリア、バングラデシュなど5か国)からの投稿が7割を占めた。架空の救助要請や、被災者を装うなりすましも確認した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ffbaf9d20a183908eae65c861a5c1a60e7c2305e

『インプ稼ぎ』をするのは良いとしても、偽情報で稼ぐには、アカウントを通報などでBANGされるのもあるので、なかなか難易度が想像以上に高いと思える。

■X.comで食べていくには、3ヶ月間で500万回閲覧が必要!

なんといっても、収益条件のハードルの高さは、過去3ヶ月で500万回の閲覧(インプレッション)が必要であるところだ(以前は1,500万回)。

つまり一ヶ月あたりで換算すると166万回1日あたり5万5,333回の閲覧が毎日必要となる。

それが、どのくらいの難易度かを、ひろゆき氏をケースにして考えてみた。

これは、フォロワー数が240万人のひろゆき氏約2328ユーロ(約36万6000円)の入金があったそうだが、これは6カ月分の収益で単純に月平均6万1,000円の収益であったということだ。つまり、ひろゆき氏でもX.comでは、1日2,000円にしかならなかったということだ(2023年2月から7月末)。
とても、X.comだけで食べていくには程遠い。
しかも、収益の条件には、有償でのサブスク利用者も条件としてあるのだ。
収益の対象となる『プレミアム』の料金は月額 1,380円〜だ。この料金を引くと、 ひろゆき氏でさえ、一ヶ月あたり5万9,620円の収入に目減りする…。

ちなみにYouTubeの収益条件は、登録者1,000人以上年間4,000時間とあり、ひろゆき氏の最高YouTube月収は1,700万円なので、X.comの285倍も食べられることとなる。

出典:X.com
出典:X.com

■毎日5万回の視聴の『収益獲得』条件を達成しているか自分のアカウントも確認してみよう!


ご自身の x.comのアカウントからも確認してみよう。

出典:X.com
出典:X.com


X.comのアカウントの左カラムの『…』メニューや『広告を得る』からたどると『収益化』の条件がわかる。

もっと詳しく知るには… analytics.twitter.comを使おう。

■ analytics.twitter.com

ウェブでの『X.com』にログインした状態で、『https://analytics.twitter.com/』をクリックしてもらうと自身のX.comのアクセス分析が可能となる。

出典:X.com
出典:X.com

ちなみに筆者のインプレッション数だと28日で4万2,300インプなので、1日の5万インプにも満たない。つまり、あと40倍も頑張らねばならない…。
収益化のスタート地点に立つだけでも、本業以上の情熱が必要だ。
https://analytics.twitter.com/user/knnkanda/tweets

このURLのあとに あなたの@アカウント/tweets で表記される。

https://analytics.twitter.com/user/

また、YouTubeとX.comをも比較することが『Social Blade』では可能だ。

https://socialblade.com/

出典:Social Blade
出典:Social Blade

筆者のYouTubeの場合 C+判定
https://socialblade.com/youtube/user/knnkanda

出典:Social Blade
出典:Social Blade


筆者のX.comの場合 B-判定

https://socialblade.com/twitter/user/knnkanda

こうやって、分析ツールも色々あるので、デマ情報まで流して、インプ稼ぎをするよりも、自分のライフスタイルにフィットしたSNSを活用し、それぞれのSNSの社会での自分なりの自己表現を楽しむべきだろう。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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