NY原油21日:株価急落と米石油リグ稼動数増加で、一時40ドル割れ
NYMEX原油10月限 前日比0.87ドル安
始値 41.03ドル
高値 41.40ドル
安値 39.86ドル
終値 40.45ドル
世界的な株価急落傾向が進む一方、米国で増産再開の兆候が見られる中、下落した。
中国の製造業指標が下振れしたものの、アジア・欧州タイムは総じて横ばいの展開になった。ただ、ニューヨークタイムに入ると株安連動で改めて戻り売り優勢の展開となり、一時は40ドルの節目も割り込んでいる。その後は週末を控えての買い戻しで下げ一服となるも、40.00~40.50ドルまで戻すのに精一杯だった。
株安の影響そのものは原油市場では余り材料視されなかったが、米石油リグ稼動数が前週比+2基の674基と5週連続で増加したことが、改めて原油需給に対する悲観ムードを強めた模様。なお石油輸出国機構(OPEC)が大規模増産を展開しているにもかかわらず、米国でシェールオイルの生産拡大の兆候が見られることが、原油相場の反発リスクを一段と低下させている。
中国リスクを考慮に入れなくても、国際原油需給の緩みは決定的であり、こうした中で需要が下振れするような事態になると、国際原油需給の緩みは更に決定的になる。なお価格低下で需給リバランスを促す必要性が解消されていないことを考慮すれば、戻り売り対応が基本となろう。一段安のためには期先限月を押し下げる必要性が高いものの、本格的な反発局面を想定することは難しい。仮に短期の相場反転があるとすればドル安になる見通しだが、足元ではそのドル安傾向も殆ど材料視されていない。