2015年 日本プロ野球界の○と× その2「球宴・ポストシーズン」「記録」「出来事・事件」
「その1」では、「ペナントレース」「人物」「ビジネス」を取り上げた。その2では、「球宴・ポストシーズン」「記録」「出来事・事件」を取り上げる。
<球宴・ポストシーズン>
○ 森友哉19歳での球宴本塁打
第2戦での本塁打は清原和博以来の10代での一発。ファン投票での両リーグ最多得票も○。後半戦はやや失速したが、シーズンを通じた活躍も○。
× 巨人鈴木尚広が球宴に選出
「21世紀枠」ではあるまいし、どうしてレギュラーでもない選手を原辰徳監督は監督推薦で選んだのか?世間はこれを「感動物語」と捉えたが、ぼくは「不公平物語」としか思えない。スピードスターが必要なら中日の大島洋平あたりを選ぶべき。
○ 山田哲人日本シリーズ史上初の1試合3本塁打
最初の2本はセンターへ。球場で見ていて、94年シリーズ第5戦で清原が桑田真澄から放ったセンターへの連発を思い出した。
× 野球と関係ない人たちによる日本シリーズ始球式
毎年のことだが、NPB頂点のイベントではやっぱりかつての名選手や名場面の主役に登場して欲しい。
× 日本シリーズ冠スポンサーカラーに塗りたくられたスーベニアボール
球場の売店で見つけドン引きした。ボールが可哀想だった。
× 涌井秀章&ロッテ CSでのローテより個人タイトルを優先
ロッテはすでにCS進出を決めていたが、公式戦最終戦に1勝差で最多勝タイトルを争っていた涌井を先発させ137球も投げさせた。おかげで登板間隔の問題でCSファイナルステージでは登板することなくチームは3連敗で敗退した。最終戦での登板は「本人が希望したから」との伊東勤監督のコメントにも×。
<記録>
○ 山田哲人&柳田悠岐トリプルスリー
パワーとスピードの両立は難しい。個人的には、トリプルスリーはかつての松井稼頭央や蓑田浩二のようにスピードスターが本塁打も量産し達成したものより、今回の2人のようにスラッガーが走りにも意欲を示した結果のものに惹かれる。だけど流行語大賞には?野球に関心のないウチの家族は「なんとかスリーなんて知らないわよ」と憤慨していた。
○ 和田一浩 最年長2000本安打
まだやれた。現役続行すれば最年長2100安打や最年長2200安打も達成しただろう。だけど、まずは御苦労さま。
○ 砂田毅樹 育成出身最年少勝利
今季途中で支配下登録を勝ち取ったDeNAの砂田は7月に19歳で初勝利。次は「育成出身初のノーヒッターを」という意欲にも○を。
○ 谷繁元信 NPB新の3018試合出場
最終的には3021試合、うち捕手としての出場は2937試合。メジャーでの捕手最多出場はイバン・ロドリゲスの2427でしかない。谷繁の記録は超ド級なのだ。
○ 秋山翔吾NPB新のシーズン216安打
長い間1950年の藤村富美男の191本が最多だった。ところがいまや21人がそれを越えた。それらは全て1994年のイチロー(210本)以降。1997年から段階的に試合数が増えたこともあるが、イチローの記録で「シーズン安打数」が脚光を浴びたことも影響していると思う。「記録は意識してこそ達成できる」ことを示している。
× 山本昌余計だった史上初の50歳登板
記録のためというより、引退試合をという登板だったのだろうが、広島のCS進出が掛かった最終戦でのセレモニー登板はやっぱり×。
<出来事・事件>
○ 三木谷オーナー現場介入
現場の箸の上げ下ろしまで介入したのは×だけど、他球団のオーナーもそれくらい自分の事業にこだわれ!と言いたい。
○ ドラフトTV中継時代ならでは「ボケ」?真中監督の勘違い
少なくともテレビ局は喜んだのでは。
× 行き過ぎの男気ブーム
カープ愛はもちろんだ。でも大人の決断には部外者には分からない多くの要素があって、それらを総合的に判断した結果の広島復帰だと思う。それを単に「男気」で括ってしまうメディアの報道には疑問を感じた。
× 誤審でコミッショナーが謝罪
誤審は「あってはならないこと」ではなく「ありえること」。コミッショナーがヒューマンエラーを謝罪しては、サヨナラ押し出しにも謝罪し根ければならなくなる。
× エスカレートする引退試合
そのために出場機会や登録枠を奪われる選手の立場を考えるとぼくは素直に感動できない。また、対戦相手があきらかに手心を加えたプレーを見せるのは、このスポーツへの冒涜だと思う。
× 野球賭博
ホントに3選手だけか?そんなふうにファンを懐疑的にさせるのが最大の罪。
× 惰性で日本一監督を選び続ける正力賞
これでは「球界でもっとも権威ある賞」は「自称」の域を超えることは難しいだろう。