2015年 日本プロ野球界の○と× その1「ペナントレース」「人物」「ビジネス」
<ペナントレース>
○ 圧倒的なソフトバンクの強さ
本来突出しすぎたチームの出現は本来ペナントレースの興味を殺ぐが、ここまで強いと話は別。交流戦や、CS、日本シリーズでも段違いの強さを見せた。
○ ヤクルト2年連続最下位からリーグ優勝
セ・リーグは近年パ比べ、上位と下位が固定傾向にあっただけに歓迎すべき快挙。
○ 大型補強オリックスの不振
大金をつぎ込んだ補強をぼくは否定しないが、それがすぐ結果に結び付かないほうがそのチームにも、球界全体のためにも良いと思う。オリックスはあきらめず補強し続けろ!
× 一時はセ全球団が負け越し
交流戦でセが負けすぎたゆえなのだけれど、そもそも日程が良くないのでは?リーグ内の勝率に交流戦の結果があまり大きく左右しないよう、開始時期をもう1ケ月遅らせたら良いと思う。梅雨?ペナントレースだってその間中断はしないではないか。
× DeNA前半戦首位ターンも後半大失速で結局最下位
これがかつての前後期制のパ・リーグなら、CSに出れてしまうところだった。さすがにそれは良くないと思う。野球はやはり長調場で競うべきスポーツなのだ。
<人物>
○ 黒田博樹
今季のプロ野球は彼の「男気ブーム」で幕を開け、彼の現役続行宣言で終わる。ブームを起こしたことだけでなく、シーズンでしっかり結果を残したのが何よりも○。
○ 大谷翔平
投手専念の登板機会があれば沢村賞も彼のものとなっただろう。プレミア12でもレベルの違いを見せつけた。一方打撃は不振。将来のメジャー移籍も視野に入れると、そろそろ二刀流とも決別すべき時期では?
○ 小久保裕紀
与えられた環境下で十分な結果を出したのではないか。韓国戦の敗戦は「自力でいくら優っていても負ける時がある」という、偶然性に左右されることの多いこの競技の本質が出ただけだと思う。
× 栗山秀樹
決して大谷翔平を褒めなかったことに×。山本五十六の「褒めてやらねば人は動かじ」をこの監督には送りたい。
×大久保博元
シーズン中に辞意を表明したことに×。シーズン終了まで職務を全うする気なら閉幕までそれを口にすべきではないし、公表するならその場で職を辞するべき。
<ビジネス>
○ 実数発表後新記録の観客動員
1試合平均ではセは3万人を、パも2.5万人を突破した。DeNAを好例に各球団の動員努力の賜物なのだけれど、デジタル時代にバーチャル体験が一般的になればなるほど、人々はリアルなもの、フィジカルなものを求めるということなのかもしれない。音楽の世界でもライブが一層盛り上がっているようだし。
○ 軌道に乗るか侍ジャパンビジネス
プレミア12の侍ジャパン戦は、地上波放送ではゴールデンタイムに恥じない視聴率を記録した。準決勝の韓国戦の逆転負けは残念だが、長期的視点では日韓対抗戦が一層看板カードとなりビジネス的にはむしろプラスだろう。
× グリエル来日せず
キューバのアメリカとの国交正常化を踏まえ、グリエルは日本よりアメリカでのチャンスを窺いたかったのだろう。でも、契約期間内に来日拒否はあり得ない。故障を理由に来日を拒むなら、DeNAが指定する日本の医療機関で診断を受ける義務があるはず。それとも契約にそれを盛り込んでいなかった?あっさり、契約解除というグリエルが望む手段で幕引きした事も含め、球団にも×。全盛期を過ぎた「至宝」に食指を伸ばすMLB球団がなかったことにちょっぴり溜飲が下がるのは不謹慎?
× オリックス森脇監督休養
球団は監督が不振の責任は監督にありと考えるならストレートに解雇すべきだと思う。監督も「私の責任」と思うなら、休養などといういわば職場放棄的アクションではなく辞任すべき。本当に言いたいのは、森脇監督は「休養ではなく辞任しろ」ということではなく、「クビだ、辞めろ」と言われぬ限りとことん自らのポストに拘り続けて欲しかった、ということだ。
× 阪神和田監督、CS前に解任が公に
これはヒドかった。まだ、それこそ日本一の可能性すら残る段階で、指揮官の解任を誰もが知ることになるとは。意図的な情報漏えいかなのか、機密マネジメントに問題があるのかは分からないが、ファンにも選手にも、そして本人に対しても敬意を欠く行為だった。
「その2」では「球宴・ポストシーズン」「記録」「出来事・事件」の○と×をお届けします。