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【河内長野市】石仏新町橋近く中片添第3公園の真下にある謎の子供像は、何のために誰が作ったのでしょうか

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

町を歩いていると本当に「何これ?」と思うものに遭遇することがありますね。今回も突然目の前に現れた二体の子供像に、非常に興味がわきました。

場所を確認しましょう。住所は石仏ですが、石仏の最北の位置にあり、加賀田と中片添町に挟まれたようなところにあります。

新町橋交差点の東側、大きく迂回するようにある道路沿いで、その上が中片添町の住宅地。ちょうど中片添第3公園の真下にありました。

新町橋交差点からの道です。歩道があり歩きやすいですね。ここからスロープ状に中片添町の登り坂がありますが、そちらではなく道路沿いに歩いていきます。

すると見えてきました。両手を挙げている子供と口元に手を置いている子供の2体の像です。

中片添第3公園の真下にあり、公園にアクセスできる階段の下に像がありました。

その先を見ると壁のように反り立っていますが、その上に住宅が見えますね。

改めて像を見てみましょう。

タイトルには「育む」と書いてありますが、作者などの情報はありません。いったい何のためにここに2体の子ども像が置かれているのでしょうか?

調べてみると情報が出てきました。これは「まちかどアート」と呼ばれるものです。

河内長野市のホームページ(外部リンク)によれば、市内に点在するパブリックアートに公共的空間の魅力を高めていると考え、散策しながら魅力の再発見するきっかけとして、まちかどアートを34か所指定したとあります。

陽の華
陽の華

この「まちかどアート」の中には、寺ヶ池公園にある「陽の華」も含まれています。ちなみに「陽の華」は14番目で、「育む」は29番目です。

ということで「育む」の作者もわかりました。久保田俶通(くぼたよしみち)という人で、長野県出身の1938年1月1日生まれ。現在は市川市在住の彫刻家です。彼は北村西望作の長崎平和祈念像の制作筆頭助手をつとめた藤野天光に師事しました。

現在は日展の評議員と日彫会の運営委員、さらに千葉県美術会の理事長です。2009年第四十一回日展の彫刻部門で「彫刻 慈恵」が最高賞の「内閣総理大臣賞」を受賞しています。また彼の代表作品は次の通りです。

  • 海浜幕張駅前の「波の詩」
  • 市川市里見公園の「水の詩
  • 千葉県警察学校の「信頼の絆」
  • 東金・九十九里有料道路の今泉駐車場にある「千鳥と遊ぶ」
  • JR大森駅東口「調べ」
  • 松本市美術館「松本讃歌」
  • 信州スカイパーク「ふれあい」

このように全国的に著名な彫刻家の作品が河内長野の石仏にあったわけです。調べてみて本当に驚きました。

彫刻の横には石のテーブルと椅子があります。休憩にも最適ですね。

ということで、歩きながら偶然に見つけたまちかどアート「育む」を紹介しました。町中にアートのあるというのは本当に散歩していて楽しいもの。それも全国的に著名な方の作品が無料でかつ間近で見られるのもよいですね。

まちかどアート「育む」
住所:大阪府河内長野市石仏
アクセス:南海三日市町駅から徒歩11分

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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