沖縄では最大瞬間風速65メートルのおそれ~7月としては異例な強さの台風8号~
台風8号は急速に発達中
台風8号は海水温の非常に高い海上を進みながら、急速に発達しています。
台風を取り巻く積乱雲は密集しており、中心付近には眼も見え始めています。
猛烈な風を伴い沖縄を直撃へ
今後は更に勢力を強めながら北西に進み、8日(火)頃、非常に強い勢力で沖縄地方を直撃するおそれがあります。
予想される最大瞬間風速は65メートルで、これは車が横転したり、ブロック塀が倒壊したり、また電柱が傾くなど、いわば竜巻の襲来を受けるような烈風とも言えます。
今予想されているような沖縄本島のすぐ西側を通るようなコースを取れば、7月としてはもちろん、年間を通しても記録になるような大変な暴風に見舞われるおそれがあります。
いくら台風銀座(台風に慣れっこ)の沖縄であっても、風に対しては最大級の警戒が必要となるでしょう。
7月としては異例の強さで上陸も
沖縄を通過したあと、予報円の真ん中を通ると、10日(木)頃、九州付近に進む予想となっています。気象庁からはこの時点の勢力予想は発表されていませんが、海水温が高いため、それほど衰えることなく、九州付近に到達する可能性があります。
もしそうなれば、7月としては、記録的に強い勢力での本土襲来となるかもしれません。
7月に上陸した台風の勢力
台風の統計がある1951年~2013年までで、7月に本土に上陸した台風は合計28個ありますが、これらの台風の特徴は、日本の南に離れている場所ではかなり勢力を強めるものの、日本付近に接近・上陸する頃には勢力を弱めるものが多くなっています。
28個の台風のうち、上陸直前の勢力が960hPa程度と比較的強かったものは数個程度で、その他のほとんどが970~980hPa程度での上陸となっています。
(ちなみに、8月の上陸は62個、9月の上陸は59個です。)
2007年7月台風4号と類似
しかし、7月に一つだけ945hPaという異例の強さで九州に上陸した台風があります。
それが2007年7月の台風4号です。
この台風は、海水温の高い所で発達し、沖縄から九州にかけて、非常に強い勢力で北上したため、猛烈な風や大雨に伴う大きな被害をもたらしました。
そしてこの台風4号と今回の台風8号は、その発生時期や発生場所、コース、発達具合など、いずれもよく似ており、いわば類似台風とも呼べるものです。
過去の例から、同じような時期に、同じような勢力の台風が同じようなコースを取ると、やはり同じような被害が発生することがあります。
今回の台風8号も7月としては異例の強さで接近、あるいは上陸も予想されるため、特に、沖縄から九州にかけては、猛烈な風や大雨、高波に対して、厳重な警戒(あるいは最大級の警戒)が必要です。
更に、来週12日(土)は満月で、10日(木)~13日(日)にかけては大潮期にあたるため、10日(木)頃、台風の接近が予想される九州を中心に、高潮に対しても十分な警戒が必要です。
(上図は気象庁発表資料より 加工等は了承済み)