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PSP世代に刺さる、Windowsゲームがどこでも遊べる夢のマシン

キリカブロガー

かつて持ち運びゲーム機「PSP」をゲーム機以上に活用し、動画を再生したり画像ビューアーとして使ったりとスマートフォン登場前にスマートフォンのごとく様々な用途に愛用していた世代にはたまらない製品が登場しています。

今回紹介するのは「GPD WIN4」という、見覚えのある様々な要素が詰め込まれたWindows 11搭載のポータブルゲーミングPC。PSPのような横長のゲーム機の筐体の中央に、スライド式の6インチの画面とキーボードを搭載した、持ち運べるゲーミングPCです。

クラウドファンディングにて入手し、数ヶ月ほど使ってみました。

モバイル向けながら内蔵グラフィック性能にも優れたRyzen 7 6800Uを搭載する事で、ある程度ゲーム側の画質設定の調整は必要なもののWindowsパソコン向けの「Apex Legends」や「原神」といった3DゲームをFullHD・60fpsでプレイすることができます。

初代GPD WIN(写真左)が出たのが2016年の事ですが、当時は搭載CPUがAtom x7-Z8700となっており、解像度も1280x720。Windowsが動くものの、用途はかなり限定的でした。

GPD WIN4はシリーズで初めて解像度が1920x1080のFullHDとなり、最近主流のPCゲームも扱えるようになり、何年か前までは想像できなかったゲーム体験が持ち運べる筐体サイズで実現しています。

外部出力端子も充実しており、上部にはUSB type C形状のUSB4ポートとフルサイズのUSBポートを1つずつ、下部にもUSB type C(USB 3.2 Gen 2)の計3つのUSBポートを搭載。上からも下からも充電できて柔軟なスタイルでプレイできるほか、外付けモニターや外付けGPUなど、様々な周辺機器を繋いでデスクトップPC環境としても活用することができます。

右側のアナログスティックの下には光学式のポインティングデバイスを搭載し、これを使ってマウスカーソルの移動・押し込みでクリック・長押しで右クリックが可能。このお陰でWindowsが快適に操作できます。

左側の同じ場所には指紋センサーを搭載し、Windows Helloを使ってログインする事が可能。物理キーボードを搭載しているとはいえ起動するたびにパスワードをモバイル端末で入力するのは手間なので、この辺りもしっかり快適に仕上げられています。

L・Rトリガーは透明の素材で出来ており、光る色のカスタマイズができるのはゲーミングPCらしいポイント。光り方も綺麗で高級感を感じます。

ボタンの質感は高く、奥にクリック感が設けられた気持ち良い押し込み感。アナログスティックも中央のデッドゾーンの設定が不要なほど精度が高く、全体的にボタン類の完成度は非常に高く感じました。

外部モニターとも相性が良く、GPD WIN4本体を手元のコントローラーにして外付けのモニターを見ながらプレイするゲーミングスタイルも快適。この手のゲームが動くスペックなので、キーボードやマウスを追加すればゲームだけでなく普段使いのPCとしても戦力になります。

PSPなどのポータブルゲーム機が現役だった頃は持ち運べるサイズでハイクオリティなPCゲームがプレイできる未来を夢見ていましたが、GPD WIN4はその未来がようやくやってきた事を実感させてくれる製品でした。

Windows 11をこのレベルで動かすために筐体は分厚めで、大型の排気口からは常に熱い空気が排気されており、高い電力設定で動かすと1時間程度しか電池が持たないという点はやはり現実的なWindowsマシンではあるのですが、このカテゴリのデバイスを初めて触る方であればこんなにしっかり動くのかと感動するのではないかと思います。

個人的に、ここ数年で一番面白いと感じたガジェットです。

ブロガー

テクノロジーを活用して理想の暮らしを追求する、AI企業のUIデザイナー。10歳から様々なサイトを立ち上げ始め、現在は2010年に立ち上げたブログ「ガジェットショット」をメインに更新中。趣味はスマートホームを活用した生活の自動化、AIの活用、アクションカメラを活用した車旅。

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