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藤井聡太七段(16)が堀口一史座七段(44)を短手数で降し、C級1組順位戦2連勝

松本博文将棋ライター
(画像撮影:筆者)

 7月2日、関西将棋会館でC級1組順位戦2回戦▲藤井聡太七段(16歳)-△堀口一史座七段(44歳)戦がおこなわれました。

 午前10時を少し過ぎて始まった対局は、堀口七段がほとんど時間を使わないため、持ち時間6時間の順位戦としては異例の早い進行に。そして11時23分、47手という短手数で、藤井七段の勝ちとなりました。

 消費時間は藤井1時間18分。堀口4分。

 勝った藤井七段はこれでC級1組2連勝。敗れた堀口七段は2連敗となりました。

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残念な一局

 最近の堀口七段の戦いぶりから、本局は事前から短手数、早い時間での終局が予想されていました。

 対局開始前の堀口七段の「奇行」については、AbemaTVの放映で、リアルタイムで伝えられました。(ダイジェスト映像も後で編集して流されていましたが、現在は削除されているようです)

 正直なところ、観戦しているのがつらかった。それが筆者の率直な感想です。

 速報ニュースでは、以下のように伝えられています。

藤井聡太七段 ハプニングでペースを乱された!? 順位戦C級1組2回戦(スポニチ)

藤井聡太七段、わずか47手で勝利 対局時間もわずか1時間23分 堀口一史座七段の撹乱にも動じず/将棋・順位戦C級1組(AbemaTIMES)

藤井七段が異例の午前中勝利 堀口七段が早々の投了(日刊スポーツ)

 筆者はこの一局について、どう触れて、どう表現すべきなのか、よくわかりません。ただ、かつての堀口七段の真摯で颯爽とした対局姿勢を知る者の一人として、残念で悲しく思います。

 藤井七段の表情も、終始つらそうに見えました。

 藤井七段に関しては、いつもと変わらぬ強さだった、と言うべきでしょうか。次回C級1組3回戦では、強敵の金井恒太六段(32歳)との対戦となります。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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