成績ダウンに寝不足に…携帯生活で感じた高校生のヤバい実体験
男子より女子の方がトラブル多し
携帯電話(従来型携帯電話とスマートフォンの双方、以後同)の魅力は誰もが認めるところ。自制心に欠ける子供が夢中になりすぎるのも理解はできる(肯定・否定はまた別の話)。当然日常生活に色々な支障が生じるようになる。では具体的に、子供達は携帯電話を使いはじめたことで、どのような問題を抱えるようになったと自覚しているのだろうか。デジタルアーツが2014年3月に発表した、携帯電話を持つ小学4年生から高校生などを対象にして行った調査結果のうち、特にスマートフォンの所有率が高く、事象も多数確認できる高校生に的を絞り、その現状を確認していくことにする。
次に示すのは携帯電話を使い始めてから自分の身に起きた、あるいはするようになったトラブル的な事象に関する同意率を示したもの。因果関係は立証されていないが、回答者がそれらしさを実感できるものも多分に含まれている。
第一印象として目に留まるのは、赤い棒、つまり女子の回答率が高い点。学校の成績が落ちてきた、遅刻をしたり休みがちになった、周囲の物事への好奇心が薄れた、食欲が無くなったなどごく一部の項目を除き、女子の方が高回答率を示している。また「特にない」も男子が4割を超えているが、女子は2割強に留まっており、女子の方が携帯電話利用によるトラブルが多発している(ように本人が実感している)実態が分かる。
この傾向は、高校生では女子の方が携帯電話の利用時間が長く、しかも昼夜を問わず利用しているのが主要因。熱中時間が長い分、心身が受ける影響も大きなものとなる。
上位項目のうち「使いすぎて注意された」はありがちな話だが、「体調不良の頻度が増えた」「繋がっていないと不安を覚えるようになった」「イライラするようになった」のような、携帯電話の操作で気晴らしどころか逆にストレスが溜まる、増える状況が少なからす生じているのがうかがえる。また「寝落ちするまで操作した」「寝不足で注意力散漫になった」のような、睡眠時間の短さから来るトラブルが、やはり深夜利用時間率の高い女子に多く出ている。
熱中度が高いスマホの方が悪影響も…
傾注時間が長いほどトラブルも生じやすいという観点では、男女間だけでなく、携帯電話の種類でも差が生じている。高校生だけでなく小中学校生も合わせた値だが、スマートフォンを持っているか否か(スマホ非保有は当然従来型携帯電話保有者になる)で区分し、トラブル体験を確認したのが次のグラフ。ごく一部の項目をのぞきスマートフォン所有者の方が高い結果となっている。
とりわけ「特にない」の項目で、従来型携帯電話が2/3を超えているのに対し、スマートフォンでは1/3程度に留まっているのが印象的である。
何事でも過度の注力は多様な方向に反動を引き起こすことになる。心身にトラブルが反応として表れるほどの過度な利用はくれぐれも控えるよう、自制を求めたいところだ。
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