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「できる」と思わせる『マスク名刺交換』

太田章代新人育成トレーナー

マスク生活が広がる中、ビジネスの場でもマスクをしたままの面談がすっかり当たり前になりました。

私は、まだ新型コロナウイルスの流行が本格化する前の2020年1月に、朝日新聞様より取材を受けたことがあります。その際のテーマは「接客の際のマスク着用は是か否か」というもので、「接客業におけるマスクはマナー違反」とお答えしましたが、当時と今では状況が異なります。マナーは時代とともに変わっていくものです。現在の状況では、マスクを着用しての接客はマナー違反ではありません。

そこで今回は、マスクをしたままでもマナーに沿った名刺交換をする方法をご紹介します。マスクをしたままでもできる印象の良い名刺交換で、今後につながる関係を築いていきましょう。

※コロナの感染状況や、世の中の流れにより対応方法は変化します。

マナーの本質は?

マナーといえば、有名なお話があります。

英国のヴィクトリア女王が晩餐会を開いた時、席上で主賓がフィンガーボウルの水を飲んでしまうという出来事がありました。フィンガーボウルは本来、食事に使った指を洗うものですが、文化の違いから主賓はそのことを知らなかったのです。

そこで、ヴィクトリア女王はどうしたと思いますか?ヴィクトリア女王の取った行動とは、お客様に恥をかかせないため、自分もフィンガーボウルの水を飲むことでした。そのような行動もあって、晩餐会は穏やかに進行しました。

このお話でわかるように、マナーとは「相手への思いやりを表すもの」であり、形式よりも大切なのは心です。

「マスクをしての名刺交換」の際でも、同様のことが言えます。形にこだわることなく、相手に合わせてフレキシブルに対応することで、思いやりを伝えることこそが、マナーの本質なのです。

マスク着用でも印象アップする名刺交換

マスクをした状態では口元が見えないため、表情を読み取ることが難しくなります。

そんな状態でも、目だけで笑顔を表現することは可能です。目のみで笑うのは難しいので、普段よりもオーバー気味に大きな口を開けて笑ってみると、目もひとりでに笑った目になります。声もマスクをしていると届きにくくなるので、通常以上にはっきりと発声し、大きめの声でしゃべるようにしましょう。

また、距離を使った挨拶も可能です。

相手とソーシャルディスタンスを保った状態で一旦立ち止まり、マスクを外して「はじめまして、この度はお時間をいただき、ありがとうございます」と挨拶をしてから、もう一度マスクを付けて近くに寄り、名刺交換をするのです。心遣いを示しながら、顔を見せて挨拶を交わすことができ、相手により良い印象を与えることができます。

帰る際にも同様のことが可能です。距離を取ってからマスクを取り、見送ってくれている相手に、「ありがとうございました」と笑顔でお礼を述べましょう。

まとめ

マスクをしていると、笑顔を忘れがちです。笑顔で名刺交換することにより、相手を受け入れているという合図を送ることができます。相手に合わせて柔軟に対応し、思いやりを見せることこそがマナーです。

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太田 章代

新人育成トレーナー

愛知県岡崎市出身。損害保険会社の事務員から広告代理店の営業職に転職。入社2年目から6年連続売上トップ。32歳で統括本部長に抜擢。50人の部下を指導する。35歳代表取締役に就任。その後、2006年人材育成事業で独立。現在まで研修&講演に2,000本以上登壇。離職率の低下や、職場のコミュニケーション改善などで成果を上げる。独自の体験型講演が好評をいただき、講師評価98.7%でリピート率も高い。研修&講演を通して【働くを楽しむ】社会創りに貢献するという使命のもと、日本全国で精力的に活動中。

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