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「稲妻」がニックネームのスーパーライト級が11勝目

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(C)Sean Michael Ham/PBC

 プロ11戦目にして初黒星を喫したオマー・フアレス(22)が、再起した。23勝(17KO)13敗のハイロ・ロペス(30)を相手に初回から思い切りよく、力のこもったパンチを振るっていく。

 10戦全勝5KOの戦績で注目を集めながらも、手痛い敗戦を喫したフアレスは、早い回で仕留めてやるとばかりに、積極的に前に出る。

(C)Sean Michael Ham/PBC
(C)Sean Michael Ham/PBC

 手数もスピードも22歳が上回っていたが、ロペスも粘った。接近戦でショートの連打を振るい、活路を見出そうとする。咬ませ犬としてセレクトされながら、プロの意地を見せた。

(C)Sean Michael Ham/PBC
(C)Sean Michael Ham/PBC

 が、第5ラウンド2分7秒にフアレスの右ストレートを浴び、ダウン。

(C)Sean Michael Ham/PBC
(C)Sean Michael Ham/PBC

 ここでフアレスは勝負を決めるかに見えた……。しかし、ロペスは更に我慢強さを表す。8歳年下の若手のパンチに耐えつつ、ショートのコンビネーションで応戦する。

 勝敗は抜きに、終了のゴングまで試合を捨てないことがロペスが己に課したテーマであるような戦い振りであった。

(C)Sean Michael Ham/PBC
(C)Sean Michael Ham/PBC

 フアレスは557のパンチを放ち、35%の195をヒットさせた。ロペスは466分の103で22%。

 80-71、79-72、79-72のスコアで22歳が勝利を掴んだ。

 プロモート会社であるPremier Boxing Championsに大事に育てられているフアレスだが、力の差がある対戦相手を前に関係者はKO勝ちを望んでいただろう。「Relámpago(稲妻)」というニックネームで売り出される彼は、それに相応しい場所まで上っていけるか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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