ソーシャル時代のテレビの答えのひとつ、Vineの「TVモード」機能リリース
CES2014もはじまり、4kも含めてネットとテレビの在り方みたいなものが、今年もいろいろと模索されていくことになるでしょう。そんな中、ツイッター社から「あ、ソーシャルメディア時代のテレビってこういうことか!」という新機能がリリースされました。
新機能がリリースされたのはVineという最大6秒のショート動画を共有するサービスです。日本でも企業のプロモーションなどで利用される機会も増えてきて、ツイッターのタイムライン上で、6秒のループで表示される動画を見たことがある人もけっこういるのではないかと思います。
Vineはスマホ&ソーシャル時代らしいサービスということもあり、スマホで撮影してスマホで撮影して見ることを前提として設計されてきました。利用者が増えてきたこともあり、昨年後半にはRevinedというツイッターのRetweetに似た機能も追加されており、投稿するだけではなく動画を見る人の環境強化もされてきていました。
そんな中での、今回の機能追加です。機能の名前はそのままズバリの「TVモード」。正直、最初に機能の名前を見たときには、あんまりピンときませんでした。
ところが、実際にこのVineのTVモードで、自分のフィードを見ていると、これがすごい楽しい。これまでと同じ動画のはずなのに、楽しさの種類が違います。なんなんだ、これ。ちょっと実際の画面で確認してみましょう。
これらの画面を見ているだけではわからないのが、流れる動画の挙動です。Vineは最大6秒までしか共有できないのが特徴であり、同時にループで何度も再生されるところに特徴があります。6秒という長さであるがゆえに、その動画がループ再生されても、それほど苦にならないわけです。
ただ、このループ機能にも弱点がひとつあって、見ているユーザー側が1クリックするかスクロールするかのアクションをしない限り、次の動画表示されません。ところが、今回のTVモードでは、フルスクリーンで表示される動画は、ぼーっと見ていれば、6秒後には次の動画に勝手に切り替わってくれるのです。ここがいい。
「あれ?この動画ちょっとおもしろくないな」と思っても、6秒後には次の動画になるので、ずっと見続けられるんですよね。そうすると、これまで見落としていた動画を再発見したりすることにもなったりするわけです。
この機能が最初からあったら、こういう感想を持つことはなかったでしょう。Vineで動画を投稿する人たちが増え、フォローする人が増え、Revinedという機能があり、フィードに流れる動画が充実したところでの、このTVモード機能の追加、これはお見事です。すばらしい。
同時にソーシャルメディアとテレビということを少しむずかしく考えすぎていたのかもしれないなという反省も持ちました。結局、みんながネットの外でなにを見聞きして、そしてネットの外から持ち込まれたものの中からみんなが何に興味を持っているのかということを、テレビのような視聴スタイルで見ることができればいいだけなんですよね。ホントそれだけできてくれればいい。今回のVineのTVモードは、その答えにしっかりなっていると痛感しました。
同時に、やはりこのTVモードのすばらしさというのは「6秒動画」というあたらしい動画フォーマットの発見と分けて考えることはできません。以前、私のブログでFrontbackという写真アプリが発見したあたらしい写真フォーマットのことを書いたのですが、このVineの動画も6秒で撮影するという撮影方法の提案ではなくて、あたらしい動画フォーマットの発見だったわけです。
ということで、今私が気にいっていつも見せてもらっているVineの名手をご紹介しておきましょう。
個人的にはVineの女王だと思っているPASSPO☆の増井みおさん。
アイドルだから被写体としてかわいいとか、他のメンバーもよく出てくるのでは、そりゃかわいいよ!っていうだけじゃありません。
毎回あの手この手でたった6秒の動画でもこれだけいろんな表現ができるんだ!という企画力まで見せてくれます。超おすすめ。
- vine:radiowada/ twitter@radiowada
次はマンガ家の和田ラヂヲさん。
マンガの作風を彷彿とさせる光景を見ているだけなのに、少しのセンチメンタルとおかしさのある動画がいつも素敵です。マンガ家というのは、同じものを見ていても違うことを見ているんだなあと思います。
- vine:Momotaro Bukiya/ twitter@mo2megane
男装アイドルユニット風男塾リーダーの武器屋桃太郎さん。
芸達者なメンバーに囲まれているということもあり、6秒でもお芝居って表現可能なんだということを見せてくれます。こちらもホントいつも楽しみにしてます。
- vine:Mari/ twitter@DJaay_Bee
おっさん世代を皆殺しにする選曲で一部で有名なDJaay_Beeさん。
硬派な選曲とは違う普段の女子高生としても生活をかいま見つつも、やっぱり視点が面白いのです。
みなさんも、これらのVineの名手をフォローして、あたらしい動画フォーマットであるVineをますますお楽しみください。やっぱ、フォーマット勝負こそが、ソーシャル時代のテレビを作りますよ。